社内政治に弱い人がわかってない6つの能力 会社も社会も「綺麗事」だけでは回らない

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これは、上司の評価の基となる情報価値を無価値化する方法です。

上司は情報を経営層に回すことで評価を得たかったのですから、その情報価値を無価値化することで、上司が良い評価を独り占めすることができなくなりました。「兵糧攻め」の一例といえるでしょう。

部下を苦しめる上司に正論で「やめてくれませんか」と言っても問題は解決しません。そのような上司には社内政治力を駆使してやめさせなければならないのです。

社内政治力は平和利用限定に

最後に注意点を1つ。社内政治力は、あくまで仕事の自由度を高め、効率的な仕事を進めるための手段として使うのが望ましいと思います。

一般に自分のために社内政治力を使う人を、人は忌み嫌う傾向があります。社内政治力を使う人は、仕事が成功しているうちはいいですが、少しでも仕事がうまくいかないと一斉に周囲から攻撃されて評判が落ちることが多々あります。

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「あの人はダークな仕事をするからこうなったんだ。自業自得だな」

「前からあの人はダークな面があったのでしょうがない」

「人を陥れているから、このような目にあう」

などです。

そのような目にあわないためにも、社内政治力は平和利用に限定し、自分の仕事を前に進めるため、周囲の人の窮地を救うため、会社のため、世のため人のための大義を持って使うようにするといいでしょう(そうすれば、たとえ仕事がうまくいかないときでも、周囲から陰口を叩かれるようなことはなく、逆に周囲の人から助けてもらえるようになります)。

それこそが社内政治家、いえ、社内に限らず「政治家」としてのあるべき姿といえるのです。

芦屋 広太 マネジメント・コンサルタント

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あしや こうた / Kota Ashiya

財閥系金融機関の情報技術部門と販売企画部門を兼務する部長。マネジメント・コンサルタント、IT分野における国家試験対策の論文指導などコミュニケーション、マネジメント、思考力を指導する教育コンサルタント、コーチとしても活躍。教育・教材の企画開発、研修、講演、コンサルティングを手掛ける。雑誌記事やネット記事は400以上。

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