「損得の人」「好き嫌いの人」の意外に大きい差 「集中力のなさ」を矯正するより重要なこと

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「集中力がない」ことは変えられるのでしょうか?(写真:しげぱぱ / PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

4年生の男の子です。算数の塾にも行かせていますが、勉強に関して、まったく集中力がありません。周りのことが、すごく気になるみたいです。勉強する態勢に入るまで時間かかり、入っても、長時間集中力が続きません。近くで物音などすると、中断します。今以上に勉強に集中できる、良い方法があれば教えてください。よろしくお願いいたします。
(仮名:中村さん)

勉強に対して興味関心が湧いていないだけ

「うちの子、集中力がないんです」ということでお悩みの保護者の方はたくさんいらっしゃいます。筆者が主宰している親御さん向けの勉強会「ママカフェ」でも、集中力がないというご相談は上位にのぼります。

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「集中力がないから集中力をつける」というのは、一見正しそうですが、実はそのようなアプローチをしても効果は限定的で、結局すぐに元に戻ってしまいます。なぜなら、根本的なことが解決していないからです。

この集中力という言葉はかなり“くせ者”です。保護者が悩む「集中力」とは「勉強に対する集中力」を指していることが大部分でしょう。しかし、よくよく考えてみると、子どもは元来、集中力は相当あるものです。小さい時に、遊びに夢中になるということを誰しも経験したことがあると思いますが、夢中になっているということは、集中しているということですね。集中力は、関心があること、興味があること、好きなことが対象であれば、誰でも発揮してしまうものなのです。

つまり、中村さんのお子さんは正確に言うと、何事にも集中力がないのではなく、勉強に対して興味関心が湧かず、やる気が出ないということなのです。「そんな当たり前のことを言われても困る」と思われるかもしれませんが、実は、この当たり前のことを、初めによく理解しておく必要があるのです。

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