第4次安倍改造内閣は、率直に言って論評する気の起こらない顔ぶれだが、筆者は、初入閣で文科相を任命された柴山昌彦氏(52歳、細田派)に期待する。
つい最近高官の不祥事があり、また2020年の東京オリンピックに向けて文科省が所管するスポーツ界などにも問題が多く、あれこれと多難な中での就任となったが、これらの問題をフェアに捌くのと共に、エリートの早期教育や、社会人の教育機会の拡大など、国家の投資としての教育政策にはやり甲斐のある課題が多い。
ここで実績を上げるなら、外相として存在感を発揮し始めた河野太郎氏と並んで、将来の自民党のリーダーの有力候補になり得るのではないか。総裁選で意外な「へたれ」振りを露呈し、沖縄知事選挙の応援でも「票寄せパンダ」機能に陰りの出て来た小泉進次郎氏を、政治的ライバルとして脅かす存在になり得るかも知れない。
なお、安倍首相が今次の内閣の課題として、社会保障改革を挙げたことは適切だと評価していいと思う。ただし、現在すでに具体案を持っていて、これから直ちに実行に向けて国会を通すような勢いがないと、社会保障改革の実行は無理だろう。「識者による検討」で暇つぶしをしていると、官僚のペースに巻き込まれて、大きく物事を変えることなどできない。
この点では、年金改革を一つの看板にして政権に就いて、結局何も出来なかった民主党政権の失敗を教訓として欲しい。まして、安倍政権は今後確実にレームダック化が進むのだから、来年1年間で決着を付けるつもりで進めるべきだ。
株価はまだ「高い」と慌てる水準ではない
さて、最後に株価の話をしよう。ここのところ、日米の株価が上昇している。特に、日本株は、なかなか抜けられなかった日経平均で2万3000円の水準を抜けて、本稿執筆時点(10月4日)では2万4000円をわずかに割ったところだ。
日本の個人投資家は、株価が上昇すると持ち株や投資信託を売りたがる傾向があるのだが、「投資を止めて、お金を使うのだ」というのでない限り、まだ本格的な利食いには早いのではないかと申し上げて置く。
東証1部で、PER(株価収益率)15倍台半ば、配当利回り2%は、まだまだ「高い」と慌てる水準ではない。もちろん、曲折はあろうが(特に来年後半に怪しいと思うが…)、長期投資にあっては、利益を出して課税されて再投資するよりも株式・投信を持ち続けて複利運用する方が有利だし、「いったん売って、より安く買い戻す」のはプロ・アマの別を問わず大変難しい。
資産形成のための投資の場合、株式や投信は、下げても気にしない覚悟で、ボーッと持ち続けているのが当面おおむね正解だろう。
(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)
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