メガバンクは「スマホ決済」で泥沼にはまる 「地銀の囲い込み」に成功しても残る課題
メガバンクは独自のスマホ決済の仕組みを構築中だが、世の中ではすでに多様なスマホ決済が使われており、出遅れ感は否めない。そんななか、三菱UFJ銀行はスマホ決済を支える裏方のプラットフォームビジネスに進出する。
銀行vs.ネット企業の闘いはどう展開するのか。『決定版 銀行デジタル革命』でキャッシュレス化の進展と銀行の苦境を描いた著者が解説する。
スマホ決済で圧倒的に出遅れ
スマホ決済にはさまざまなアプリが登場し、熾烈な競争が展開されている。メガバンクもその競争に参入する方針だが、いまだに実験段階にあり、出遅れ感はぬぐえない。
そんななか、三菱UFJ銀行は、そのスマホ決済を支える、いわば裏方のプラットフォーム(基盤部分)で存在感を高める戦略に打って出た。システム開発会社TISと組んで、暗号情報を一括で管理するとともに、暗号化されたクレジットカードなどの情報を小売業者に代わってカード会社に送る仕組みを開発したという。
買い物の際にスマホを店の端末にかざすなどして支払うと、そのあとどうなるか。代金は最終的にはクレジットカードで決済されたり、銀行口座から直接引き落とされたりする。
その際、クレジットカード番号や銀行口座番号などの情報が外部に漏洩するのを防ぐため、それらを暗号化する必要がある。三菱UFJ銀行とTISは今回、画期的な暗号化技術を開発したというわけではない。ポイントは、暗号情報のやり取りの代行業務をするという点だ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら