デキる人は正しく「自虐ネタ」を使っている 「心を動かす日本語」と「不快な日本語」の差

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具体的にいくつかご紹介します。

法則1:相手の心をつかみやすいのは自虐ネタ

相手の心をつかむ会話で大切なのは、潤滑剤としてのユーモア。そういうとき、使いやすいのが自虐ギャグです。

たとえば筆者はこの夏、「すみません、ボクが太っているせいで、灼熱地獄で」「この部屋の湿気が多いのはボクのせいです」といった自虐ネタで何度も会議を沸かせることができました。手前みそになりますが、その瞬間、会議に出席している皆さんの心を、僕はつかんでいたのです。

実際に自分の欠点を笑いにできる人は、指導力や包容力が高く女性にモテるということが、科学的な研究結果でも判明しているそうです。

自虐のネタにしていいのは、自分自身のことのみ

ただし、ここで注意したいのが、自虐のネタにしていいのは、自分自身のことのみ、ということです。自分に近い存在だからといって、部下や家族をネタにすれば、それはたちまちパワハラ、モラハラになってしまいます。

駄目な例としては……。

「うちの社員、レベルが低いんですよ」

「すみませんね、うちの社員使えなくて」

こうしたものは、自虐ではありません。パワハラであり、自爆ネタです。

自分の部下や家族を自虐のネタに使う人がいますが、正直、笑えません。リアクションに困ってしまいます。ちょっとした軽口のつもりでも外部の人に、部下や家族などの身内を貶める発言はNGです。あなた自身の評価も急降下です。結果的に人が離れていていきます。

できる人は、いつも多くの人に囲まれています。上司や取引先だけではなく、部下や家族なども周りに集まることが必須です。それを自分から捨てるのは問題外です。

この分野で傑作を作り出しているのはなんといってもソフトバンクの孫正義さんの頭髪ネタではないでしょうか。

「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」
「ハゲは、病気ではなく、男の主張である」

ツイッター上に繰り出されるさまざまな名作に、笑った人も多いのではないでしょうか。

とはいえ自分の外見をネタにするのは難易度が高い、と思う人もいるでしょう。そんな場合にも、いい方法があります。部下などの身近なパートナーを、多くの人の前で褒めて、相対的に自分を落とすのです。

「部下が優秀すぎて、ボクが霞んで霞んで……」
「本当に部下の成績が良すぎて、もうすぐボクが部下になりそうです」

などなど。大切なのは、相手を困らせずに楽しくなってもらうことです。他人をネタにして不快にさせるなどは論外です。

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