160億円物件も!最新「香港高級住宅事情」 富裕層向け住宅の平均単価は「東京の2倍」

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――「ユニオンスクエア」の開発を手がけるデペロッパーは?

真田 1社ではありません。駅上の開発権を、MTRが6社のデベロッパーに売りました。だからこのエリアに建っている建物の形はバラバラなんですね。真ん中に駅上屋上広場があり、その周りを住宅が取り囲んでいます。香港中心部によくあるタイプの開発で、人が多く集まる駅を中心に、住宅、オフィス、商業を作るというものです。

――香港ならではの住宅の特徴というのは?

OMAが設計したコンドミニアム「インターレース」。ブロック状の建物が蜂の巣のように積み上げられている(写真:HILLS LIFE)

真田 香港の土地はニューヨークと同様に岩盤の上にあるので、地震対策が必要ないんです。そのため細長い建物が多いですね。風対策さえ行えば、ひたすら高く積めます。しかも香港には景観権がありません。

デベロッパーが政府と交渉して容積率を買い取ることができえるので、例えば100メートルの高さの建物の前には50メートルのものしか建てられない既存容積だったとしても、いくつかの規制を突破し、容積率を買うことで100メートルのものが建てられるんです。

また、住宅はバスルームなどが外気に面していなければいけないというルールがあるので、クローバー型や星型の形の建物も多いですね。

香港とシンガポールの住宅デザインの違い

――香港に次いでアジアで高級不動産取引が盛んなのがシンガポールです。こちらの状況はどうでしょう?

真田 シンガポールは人口が約400万で香港のほぼ半分です。土地取引の透明度が香港より高いため、欧米のファンドも多く進出しています。2012年ぐらいはバブルでしたが、今は沈静化していますね。

シンガポール中心部、特別景観地区に建つ「ベルビュー・レジデンシズ」は伊東豊雄の設計(写真:HILLS LIFE)

香港とシンガポールの大きな違いは、シンガポールの方が住宅デザインがより洗練されていることでしょうか。シンガポール政府の政策自体がデザイン重視で、デザインによって都市をバリューアップしようという考え方が強いため、世界的なデザイナーを多く起用しています。OMA、ダニエル・リベスキンド、日本人ですと伊東豊雄さんが設計したものもあります。

最近完成した「マリーナ・ワン」は、住宅とオフィスの複合ビルで、森ビルが進めている「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」と「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」もデザインしているドイツ人建築家のクリストフ・インゲンホーフェンが手がけています。

――日本が香港やシンガポールの住宅から学ぶべきこととは?

真田 富裕層向け住宅の動向をみるには、常に香港、シンガポールを見る必要があります。彼らはファミリーで、複数の不動産を アジア、ヨーロッパ、アメリカに所有していて、全体を見つつ投資先を決めています。

日本もここ数年、このマーケットの中に入るようになりました。虎ノ門ヒルズが開業した2014年当時はかなりお手頃でしたが、今では2倍の価格になっています。日本の不動産を購入する海外顧客には、日本が好きで1カ月に1度ぐらい来日している人と、投資目的の2パターンありますね。

日本の物件は、クオリティは世界一だと思いますが、プランやデザイン、プロモーション、サービスに関してはまだまだ海外から学ばなければならないところが多いです。他の都市に勝てる東京の強みを考えなければなりません。

(TEXT BY JUN ISHIDA、PHOTO BY TOSHIYUKI SANADA)

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「HILLS LIFE DAILY」編集部

六本木ヒルズ開業の翌年に創刊された、都心エリアのためのライフスタイルメディア。都市生活者に向け新たな情報やトレンドを伝え、アイデアやビジョンを広く提案しつつ、東京という街のクリエイティブな可能性を高めてゆくことを目的としている。

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