ゼネコン各社が不動産開発にのめり込む理由

鹿島、ゼネコン初のREITに込めた野望

手前の白黒の建物が鹿島の本社ビル。奥の白黒の建物が旧本社を建て替えた、地上30階建ての「赤坂Kタワー」(編集部撮影)

間もなく上場スーパーゼネコン4社の2018年4~6月期(第1四半期)決算が出揃う。各社ともに建設コストの高騰を折り込み、営業利益の予想は慎重だ。増益を見込むのは大林組と清水建設だけ。それもほぼ前年比横ばい程度の水準でしかない。

4社の中でもっとも悲観的な予想を立てているのが鹿島。2019年3月期の業績見通しは売上高こそ2兆円(前期比9.3%増)だが、営業利益は1080億円(同31.8%減)と大幅な減益を見込む。その大半が本業の建設事業での減益だ。

建設事業の採算については中長期でも悪化を見込む。5月中旬に公表した2020度を最終年度とする3カ年の中期計画では、当期純利益における国内建設事業以外の事業の割合を、2018年度は28.3%、2020年度には37.5%、中長期では50%まで引き上げる。利益は海外と不動産開発で伸ばすシナリオだ。

その布石として、向こう3年間で実施する総額5000億円の投資計画のうち、国内外の開発事業に4000億円を振り向け、このうち1600億円を国内の不動産開発に投じる。

ゼネコン初の単独私募REIT創設

国内の開発事業拡大の肝となるのが、今年6月から鹿島単独で運用を開始した私募REIT(不動産投資信託)「鹿島プライベートリート投資法人」(以下、鹿島PREIT)。

運用は鹿島の子会社である鹿島不動産投資顧問が担当するが、私募REITのため、出資者は地方銀行や信用金庫、生命損害保険会社、リース会社など外部の機関投資家となる。鹿島には物件売却に伴う利益や私募REITの運用手数料が入る。

REITには上場しているものと、機関投資家を対象とした私募REITの2種類がある。その中で今回、私募REITとしたのは「上場REITは個人の投資家と向き合わなければならないが、弊社の本業はBtoB。BtoCの事業経験がない中で、個人の投資家を対象に金融商品を扱うリスクを考えた」(会社側)という。

これまでも大手ゼネコンでは、日本生命が組成した私募REITに大林組が物件を供給したり、上場するJ-REITの日本プライムリアルティ投資法人のスポンサーに大成建設が東京建物とともになってはいるが、ゼネコン単独でのREIT組成は鹿島が初となる。

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