ゼネコン、過労死ライン超え黙認の重い責任 19年度、「時間外1200時間未満」を目指すが…
10月上旬、都内のトンネル工事現場。平日は重機や作業員でごった返すが、土日になると静まり返る。建設業では数少ない「週休2日」の現場だ。
現場の責任者を務める清水建設の齋藤彰・所長は「(週休2日制で)工期が逼迫している。ただ、いずれ週休2日が当たり前の時代が来る。その前に課題を洗い出したい」と語る。
過労自殺が転換点に
世間ではもはや当たり前となった週休2日制だが、建設現場ではまだまだ少ない。業界団体の一つ、全国建設業協会の調査によれば、建設会社3106社のうち、おおむね4週8休を実現している会社はわずか16.3%にとどまる。
通常、残業や休日出勤を含む時間外労働については労働基準法で規制されている。
ただ、建設業は仕事量に波があることを理由に適用除外となっており、労働時間は青天井だ。
最近、政府が推進する働き方改革もあり、石井啓一・国土交通相は今年3月、建設業に対して働き方改革を要請。
翌4月には新国立競技場の建設に携わる1次下請けの新入社員の過労自殺が発覚。直前には月約190時間もの時間外労働を行っており、及び腰だった業界も過重労働の是正に取り組まざるをえなくなった。
さらに2017年の成立、2019年4月の施行を予定していた改正労働基準法(現在、継続審議中)では、5年の猶予期間を置いたうえで建設業も時間外労働規制の対象に含める計画だ。
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