160億円物件も!最新「香港高級住宅事情」 富裕層向け住宅の平均単価は「東京の2倍」
香港経済はある意味不動産ビジネスで成り立っている部分が大きいので、不動産価値を下落させられないというのもあると思います。世界の高額不動産マーケットを形成するニューヨーク、ロンドン、シンガポールも含めた都市のなかで、最も総取引額が高いのが香港です。取引量ではロンドンがトップで、個別の住宅で最も高い値がついているものがニューヨーク。
不動産開発は香港全土の4割に限定されている
近年香港で一番高い物件は約160億円です。大雑把に、香港の富裕層向け住宅の平均単価は東京の2倍と言っても過言ではないでしょう。投資目的の購入が主で、購入者は中国本土とアジアの人々が多いですね。
――富裕層向けの住宅が集まるエリアとは?
真田 香港島のセントラル地区とビクトリア・ピークの間にある「ミッドレベル」という中腹エリアです。イギリス統治時代の高級住宅街で、ビクトリア湾の眺めが良い。香港では不動産開発が香港全土の4割に限定されていて、残りの6割は緑地保存しなければならないんです。そのため、山を簡単に宅地には出来ず、昔お屋敷だったところを10数層のマンションにする、あるいは小邸宅が集まっている土地をまとめて高層ビルにする、そういったことしかできない。
市街地は土地・建築の権利が細分化かつ錯綜しているので、街中の再開発は至難の技です。逆に緑と接している敷地は、権利が一個人あるいは一社のところが多く、そうした敷地を再開発することが多い。
――香港で最も高い住宅はどういうものですか?
真田 現時点での最高額は、2016年に竣工した「マウントニコルソン」というミッドレベルにあるものです。
小宅地が集まっていたエリアをワーフという香港の財閥系デベロッパーが買い上げ、去年竣工しました。建築はロバート・スターン、インテリアはヤブ・ブッシェルバーグ含む世界的に著名な4人のデザイナーで、彼らはニューヨーク他でも高級物件を数多く手がけています。2棟のタワーと20戸の戸建てからなっています。
タワー最上階にある2つのユニット各400平米を1つにまとめたものに約160億円の値がつきました。オーナーは華僑の方だそうです。