160億円物件も!最新「香港高級住宅事情」 富裕層向け住宅の平均単価は「東京の2倍」
2番目に高いのが、スワイアというイギリス系の会社が手がけた「オーパス」で、こちらは2012年に竣工しました。
もともとスワイア創業家一族が住んでいた邸宅敷地を再開発したもので、フランク・ゲーリーがアジアで初めて住宅を設計したものです。1棟の建物に12戸の住宅が入り、1フロア1戸で各600平米です。
スワイアの50周年記念プロジェクトだったため、利益よりも内容優先で、最初は賃貸で運用し、信頼できる買い手が現れたら売るという考えた方だったようです。最終的には3年かけて全て販売し、最初は40億だったものも最後は60億ほどになりました。こちらの購入者は、華僑や本土より香港の人が多いようです。
流行を取り入れるが自分好みのスタイルで
――住宅デザインのトレンドもあるのでしょうか?
真田 香港でもニューヨークと同様に、クラシックとモダンの二つの流れがあって、富裕層に人気が高いのはクラシックですね。
ニューヨークやロンドンと同様にスケルトンの状態で販売するものが多かったですが、最近はある程度内装を仕上げてあるものも増えてきました。クラシックな内装の「マウントニコルソン」もそうですね。対して「オーパス」の方はコンクリートむき出しのスケルトン。ヤブ・ブッシェルバーグが手がけたショールームはありましたが、基本的には購入者が内装を全部自分好みで行うスタイルです。
――他に注目すべき住宅開発はありますか?
真田 西九龍地区にある「ユニオンスクエア」は、いろいろな面で面白いですね。敷地内には「ICC」(international commerce center、環球貿易広場)という香港で最も高いビルもあります。約500メートルの高層ビルで、リッツ・カールトンホテルとオフィス、商業のテナントが入っています。「ユニオンスクエア」は地下鉄MTRとエアポート・エクスプレスの駅である九龍駅の上にありますが、新たに中国本土と香港を結ぶ新幹線の駅が建設中です。2018年完成予定で、これにより香港と広州が約40分で繋がります。この駅の上に1054戸の住居があって、本土の人々がすでに購入しています。