2020年五輪成功には若者の活躍が不可欠

水野正人 × 三ツ谷洋子 対談(上)

 「2020年東京五輪の「招致委員会CEO」を務め、招致活動成功の「陰の立て役者」ともいわれる水野正人氏。IOC総会の最終プレゼンテーションで、大きな身振りと笑顔を交え、英語とフランス語で堂々と日本の強みを述べる姿が印象に残っている人も多いだろう。
そんな水野氏が今回、東京五輪に向けての率直な思いを語った。東京への投票を呼びかけるため、水面下で行なわれたロビー活動の裏側には、いったいどのような駆け引きがあったのか。2016年五輪の招致活動時よりも資金面に乏しいなか、約130名の事務局スタッフをどのようにまとめていったのか。そして、五輪を通じてどのような日本の未来像を描いているのか――。スポーツビジネスの専門家、三ツ谷洋子・法政大学教授が迫る。

 

愛国心をもって臨んだ招致活動

三ツ谷2020年東京五輪開催決定に日本中が大喜びです。招致委員会の活動を振り返り、どのようなお気持ちでしょうか。

水野:正直な気持ちを申し上げれば、ホッとしました。8月中旬までは招致の成功にそれなりの手応えを感じていましたが、9月上旬の最終プレゼンテーション直前に福島第一原発の汚染水漏洩が世界中へ報道されたことで、雲行きが怪しくなってきました。

そこで、竹田恒和招致委員会理事長が安倍総理に「この問題は政府の責任で解決する」と発言していただくようお願いされました。結果的に、総理の力強いプレゼンが五輪招致の最終的な決め手になったのではないでしょうか。

三ツ谷今回、日本は20年の夏季大会を「復興五輪」として位置付けて招致活動をされていました。

水野:五輪開催で被災地に夢と希望を共有することによって復興を加速できると考え、被災者の皆さんとともに招致を成功させたいと思っていました。石原慎太郎東京都知事(当時)の指示により、竹田理事長は被災三県(岩手・宮城・福島)の知事から招致活動への同意書もいただいていました。

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