オバマの演説は「やりたい放題宣言」に等しい オリバー・ストーン単独インタビュー(下)

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日米同盟についてはどう考えるか?

大野:日米同盟についてはどのように考えますか。

ストーン:1949年に中華人民共和国が建国され、50年に朝鮮戦争が勃発すると、アメリカは反共の防波堤として日本を位置付け、方針を転換したのです。「ドミノ理論」(ある国が共産主義化すれば、ドミノ倒しのように近隣諸国が次々と共産主義化するという仮説)を提唱したアイゼンハワー大統領も、「日本はアジアのなかで最後のドミノである」と分析した。だからこそ米軍の前線基地を配置したのです。

岸信介はどういうわけか、権力の座に戻り、日米安保条約の締結をしました。岸は非核を口にしていたが、同時にそれを覆そうとしていました。1960年には日米間で密約が交わされました。ベトナム戦争の前は、沖縄は多くの米軍兵士の前哨基地でした。

大野:「密約」の存在は、長いあいだ日本政府に否定されていましたが、2010年、外務省調査委員会によって存在が明らかにされました。

ストーン:アメリカとの密約は、核兵器が日本に持ち込めるというものです。今日本に核兵器があるかどうかしりませんが、一時期日本に置かれていたと思います。沖縄には海兵隊や空軍が配置されており,イラク戦争のときも、前哨基地として使用されました。それほど米軍にとって沖縄は重要な拠点だということです。

一方、日本政府もアフガニスタン紛争の際には自衛隊を「人道支援」の名目で派遣し、治安維持を担うNATO(北大西洋条約機構)に多額の財政支援を行ないました。また、イラク戦争をブッシュが断行しようとした際には、フランス、ロシアとともに、親米的なスタンスだったドイツのシュレーダー大統領が反対を表明するなか、当時の小泉純一郎首相は真っ先に支持する姿勢を示しました。

ただ逆の側面から見れば、アメリカが行なう外交ゲームに、日本はずっと利用されてきたということです。日本は独立心をもたなければなりません。世代全体でナチズムを反省し、それを乗り越えようとするドイツを見習うべきです。

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