核廃絶のために、もっと日本は世界に貢献すべき
今年4月5日、ある画期的な演説がチェコの首都であるプラハで行われたのをご存じだろうか。アメリカで初の黒人大統領となったバラク・オバマ大統領が、大統領として初めて「アメリカの核使用への道義的責任」について言及したのである。
そしてそれ以外にも、この演説の中で核政策について多くのビジョンを示している。そのいくつかをここでご紹介したい。
・米国は核兵器を使用した唯一の核保有国として行動する道義的責任がある
・米国は核兵器のない世界に向けた具体的な措置を取る。
・米国、ロシアの戦略核をさらに削減する新条約を今年末までにまとめる
・核拡散防止条約(NPT)体制強化のため、国際原子力機関(IAEA)により多くの資源と権限が必要である
・積極的に包括的核実験禁止条約(CTBT:Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)批准に向け邁進する。
・核兵器原料の生産を禁止する「兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約」の交渉開始を目指す
国連NPT準備会合での経験
このようにオバマ大統領の核兵器廃絶発言は世界に大きなうねりをもたらしている。
今年5月にニューヨークの国連本部でNPT準備会合が開催され、筆者はこの会合に参加した。
※来年5月には国連本部で、NPTの運用を見直しする国際会議が開催される予定になっている。この会議は5年に1度開催されるが、前回の05年の会議では議論が紛糾し、結局、合意文書を作成することができず、失敗に終わっている。来年のNPT運用検討会議は核不拡散体制を立て直す重要なポイントとなる。
この会議は熱気に包まれていた。