不正まみれのスルガ銀行が抱える2つの難題

悪いことをした者同士で本当に変われるのか

調査の結果、第三者委員会は「偽装への関与は、まさに各行員によって会社の職務として行われた不正であって、会社の指揮命令系統を通じた不正であったと考えられる」と結論付けた。今回の問題を受けて検査に入った金融庁からは、厳しい行政処分が下るだろう。

委員会の調査報告書が発表される前、地元、静岡県沼津市のスルガ銀行本店に訪れた顧客に話を聞くと、「(不動産ローンで)損をしたのは東京の人。対岸の火事だ」など事件を気にしないという声が少なくなかったが、中には、「岡野会長が辞めたら、銀行はどうなるのか」と先行きを心配する高齢者もいた。

新社長も「一定の経営責任は免れない」

結局、この問題が表面化してから、岡野会長は一度も会見に姿を現すことなく、経営から退いた。9月7日の会見は、主要役員の一斉辞任を受けて新社長に就いた有國三知男取締役(52)が行った。有國氏は米山氏と同期の1989年入社で、コンプライアンスや人事の部長を歴任。16年に取締役就任後は監査やシステム管理などを担当した。

9月7日の会見に姿を見せたのは有國社長(中央)、社外取締役、社外監査役の3人だけだった(撮影:尾形 文繁)

有國氏は不正の中心となった営業部門の管掌ではないが、人事部門の部長時代には、審査部の人事に営業サイドの意向が色濃く反省されていることを認識していた。第三者委員会は、少なくとも取締役の就任後にこの問題を役員会に報告し、審査部の人事の正常化に務めるべきだったとして、「一定の経営責任は免れない」としている。

同日の会見で有國氏は、「抜本的な職場環境の正常化から初めていきたい」と語ったが、スルガ銀行は事業と企業風土の改革という2つの難題を抱えている。

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