ただ、この「幼稚園魅力パターン」が出てくる背景の1つとしては、前々回、前回で書いたように、全般的に待機児童の増加とともに保育園の余裕がなくなり、基準が緩くなっているという日本の事情がある。前々回の記事でも引用したコメントを再度引用しよう。
多くの幼稚園は“専業主婦前提”
こうして共働き親も幼稚園を検討し、悩むのが「3歳の壁」。しかし、魅力的に見えて実際に入ってみるとそれはそれで、“専業主婦前提”のさまざまな壁に突き当たることになる。親の関与が求められる場面はやはり幼稚園のほうが多くなり、平日の昼間参加型のイベントも多い。
もちろん、保育園でも平日の保護者会開催をするところもあれば、幼稚園でも「おかあさんが働いていようがいまいが、必要な方に使っていただければいいです。PTAもできる方がやってくだされば」という姿勢の園もある。しかし、以下のような証言もある。
3歳児以降、質・量ともに保育園では足りないのであれば、外形的には「幼稚園に行かせればいい」ようにも見える。が、やはり多くの幼稚園は“専業主婦前提”の仕組み下にある。
政府は、2019年10月から幼児教育の無償化を実施する。認可保育所や幼稚園に通う3~5歳児や住民税非課税世帯の0~2歳児の保育料が原則、無料になる。一見、幼児教育に力を入れているように見えるが、実際には安心して通わせられる場所が十分確保できていない状態。女性活躍もうたってきた政権だが、急増する共働き世帯が必要とする保育の質・量の向上は、ますます後回しになったのではないかという気もしてしまう。
次回は、一部の層ではあるが、付属系幼稚園に入れる、あるいは小学校受験を見越してそれが有利になると考えている幼稚園に行かせるという、「受験重視パターン」について別途書いていきたい。
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