トヨタ「シエンタ」5人乗りが追加された事情 ルーフ塗り分け2トーンカラーが果たす役割

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現行シエンタは、一般的な乗用車としての用途以外で使われることも多い。

ひとつは福祉車両だ。トヨタは近年この分野に注力しており、現行シエンタについてはルーフの改造なしにリアゲートから車いすでアクセスできる設計としたうえで、車いす仕様車の中には改造車ではなく型式指定を受けたグレードを用意するなど、かなり力が入っている。

もうひとつはタクシーだ。地方都市ではシエンタのタクシーを見掛ける。筆者も8月に関西地方のある街を訪れたとき、JRの駅前でタクシー乗り場に並んだところ、やってきたのはシエンタのタクシーだった。

トヨタは昨年秋、新型タクシー車両の「JPN TAXI」を発売したが、価格は300万円以上と高めだ。それまでのタクシー専用車だった「コンフォート」はすでに生産中止になっている。そんな中でJPN TAXIのベースでもあり、トヨタの5ナンバー車ではコンパクトでありながら車内空間の広いシエンタを選んだのだろう。

こうした用途に用いられる車両は、黄色いボディカラーやブルーのアクセントカラーを選びにくい。事業所や会社の名前をボディサイドに記す必要があるし、タクシーであればコーポレートカラーに塗ることも多い。白などを選ぶユーザーが多数派になることが予想できる。

代わりに用意されたルーフ塗り分けの2トーンカラーは、軽自動車を含めて多くの車種に用意されており、おなじみのカラーコーディネートである。新しさを出しつつ多くの人に受け入れられるのではないだろうか。

さらにマイナーチェンジではフロントマスクも一般的になった。こちらもより幅広いユーザーに受け入れられそうだ。

2列シート5人乗りが追加

もうひとつ今回のマイナーチェンジで特筆すべきは、「ファンベース」というサブネームを付けた2列シート5人乗りが追加されたことだ。

シエンタは2003年に発表された初代から、全長4m台前半、全幅1.7m未満というコンパクトなボディサイズでありながら、3列シートを用意していることがアピールポイントだった。

このクラスで最初の3列シートを備えたミニバンは、ホンダ「フリード」の前身である「モビリオ」で、続いて日産自動車が2代目「キューブ」に3列シートの「キューブキュービック」を追加した。

次ページこの直後に初代シエンタが登場
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