新生「森保ジャパン」の躍動で見た主将の役割 伝道師・青山を中心に若手をどう融合するか

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森保監督も「10月からはコンディションやチームでの状況を踏まえながらロシアで戦った欧州組を呼びたい」と方向性を語っていて、香川や乾貴士(スペイン1部=ベティス)らがひしめく攻撃的MFのポジションは特に熾烈な競争が繰り広げられることになる。

そこでしっかりとチームをまとめ、1つの方向に歩ませる意味でも、青山という伝道師の存在が不可欠になる。ベテランボランチは代表キャップ数こそまだ9試合で国際経験が少ないものの、ブラジルワールドカップで吉田や長友佑都(トルコ1部=ガラタサライ)らとともにプレー。これから合流するトップ選手との関係も良好だ。

新キャプテンと新監督がどうチームを作っていくか

クラブと代表の行き来に関しても、32歳という年齢を踏まえるとやや厳しいように感じられるが、青山の場合は国内組で毎回のように日本と欧州を往復するような負担はない。

加えて、広島の池田誠剛フィジカルコーチが「代表が日本人の森保監督体制になってクラブとのコミュニケーションが密に図られるようになるから、コンディション面の問題はそこまで心配していない」と言うように彼の負担軽減も図られるだろう。

「青山は実直で誠実な男だから、これまで数々のケガをするたびに完全に治りきらないうちにプレーして状態を悪化させる傾向が強かったが、今年に入ってから足首やヒザ、腰の機能回復トレーニングを行ったことで、かなりフィジカルの状態がよくなっている。年齢はそこまで問題にならないのではないか」と所属クラブの関係者が前向きな見方をしているのは明るい材料だ。

森保監督が自分のコンセプトを植え付けていくうえで、欠かせないピースとなるであろう新キャプテンの一挙手一投足はやはり注目に値する。

「大事なのは新しい選手たちがどう日本代表に関わっていくか。トップのA代表になった時が楽しみなんで、その中で自分に何ができるかをまた考えながらやっていきたい」と語った背番号17の後継者を代表新指揮官がどう活用しながら、よりフレッシュなチームを作っていくのか。その手腕やマネージメントにも期待を寄せたい。

(文中敬称略)

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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