あなたが知らない深刻なSNS疲れの世界潮流 満島ひかりや真木よう子もSNSから去った

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さらに今は、“過去の発言”が時間を経て、批判の的と化すケースも少なくない。今年に入って、ニューヨーク・タイムズの記者が採用後すぐに過去のツイートの内容が理由で解雇されている。同社ではほかにも、先月編集委員に任命された韓国系アメリカ人のサラ・チョンが同様に過去の発言をきっかけに炎上するということが起こっている。SNSへの投稿は話し言葉のように気軽に発することができ一瞬でタイムラインを流れていくが、実際には何年にもわたって発言した本人につきまとう結果を招く。

もちろんSNSを利用する際にはそういった点をきちんと理解し、“書くべきではないこと”は絶対に書かないなど、発信する際には十分気をつけなくてはならない。

しかしつねに気をつけるということが負担となり、“疲れ”という形で表れてしまうのも、また事実だ。そして、それを上回るようなメリットを、SNS上に投稿すること対して見いだせなくなった結果、SNSから距離を置くという選択をする人が、著名人らの間に増えているのが現状である。

SNSがオワコンになる日も近い?

これは著名人だけに当てはまる話ではない。いわゆる「ジェネレーションZ」(“Z世代”とも呼ばれ、1990年代後半から2000年代に生まれた世代を指す)の間では、“SNS離れ”が、いよいよ本格化している。

ある調査機関によるデータでは、米国のジェネレーションZの約3分の1がひとつ、もしくは複数のSNSをやめてしまったと回答しているし、さらに約60%が一時的な”SNS絶ち”を行ったことがあると回答している。これは荒らしや批判、炎上などのリスクを負いたくないという理由だけではなく、そもそも“スマートフォンを使いすぎている”ことに懸念を感じているジェネレーションZが増えてきたことにも関係している。

こういった流れを受けてか、“SNS離れ”をする企業も出始めている。英国の大手パブチェーン、JDウェザースプーン社は、今年の4月にツイッターとインスタグラムのアカウント、そしてフェイスブックページをすべて閉鎖してしまった。その理由は「個人情報が誤って使用されることへの懸念」、そして「SNSへの中毒性に対する危機感」だという。また、同社会長は「SNSの投稿の90〜95%はビジネスにとって役に立たない」ともコメントしている。

著名人がSNSを離れ始め、今後の社会の中心となる世代の中でもSNSはおろか、スマートフォン離れが見え始めている。そして企業もSNSから距離を置き始めている中、SNSの中毒性から抜け出せない人が時代遅れの象徴となる日が来るのかもしれない。昨今の“SNS離れ”は、そんな未来を映し始めているかもしれないのだ。

熊村 剛輔 セールスフォース・ジャパン DX ビジネスコンサルティング ディレクター

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くまむら ごうすけ / Gosuke Kumamura

1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、大手ソフトウエア企業のウェブサイト統括とソーシャルメディアマーケティング戦略をリード。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括後、クラウドサービスベンダーにてエバンジェリストとなり現在に至る。

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