「魚屋夫婦ユニット」が円満でいられるワケ

妻は最高のビジネスパートナーだった

和浩さん「私自身、この副業をもう少し商売として広げていきたい気持ちもありましたし、夫婦でそんな話もしていたのですが、当時はなかなか踏み切れませんでした。でも、ホームページができ、さらには妻の働きかけによって少しずつ法人の案件なども入るようになって、事業化が見えてきた。そこで、2017年1月に会社を辞め、妻と一緒に魚屋一本でやっていくことにしたんです」。

ビジネスの面で同じ方向に視点が定まると、家庭にもいい影響が出た。夫の家事や育児に対する考え方、行動が大きく変わったというのだ。

和浩さん「それまではどこか『手伝う』という意識があり、実際にそういう言い方、やり方をしていたと思います。夫婦とも無意識に、基本的には妻がやるものという感覚だったんじゃないかと。でも、一緒に魚屋をやるようになると、お互いの力を最大限に発揮するためにも家事や育児はフェアじゃないといけない。そう実感できるようになりました」。

有美さん「彼は律儀な人だから、誰かに何かをやってもらったら返したいという気持ちを持っていると思うんですよね。ホームページを作ってくれた、じゃあ自分も何か相手のためになることをしようと。そういう、いい意味でのギブアンドテイクみたいなものが、ホームページの一件から自然と生まれていったような気がします」。

一緒に仕事をすることで、新たな魅力も発見できた

とはいえ、ビジネス上でもパートナーになると、不和のタネが増えたりはしないのだろうか? 仕事でぶつかると、家庭生活にまで尾を引きそうだが……。

(写真:OCEANS)

有美さん「今のところ、ぶつかることはないですね。というのも、同じ魚屋ではありますが、やっていることが全く違うんですよ。私は魚のことは全くわからないのでノータッチですし、逆にイベントの企画や運営といったところは夫も私に任せてくれるので。お互いの得意な部分を信頼していて、その領域には干渉しない。なんとなく良い棲み分けができているんだと思います」。

和浩さん「妻がデキる人だっていうのは、一緒に魚屋をやる前から感じていました。でも、実際にやってみたら想像を超えてた(笑)。妻のプロデュース能力を全面的に信頼しています。それに、私が本当にやりたかった仕事を形にしてくれたことへの感謝もあります。だから、私は職人として彼女がとってきた仕事に全力で応えたい」。

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