「魚屋夫婦ユニット」が円満でいられるワケ

妻は最高のビジネスパートナーだった

以前は仕事の話をほとんどしなかったというふたり。互いの働きぶりを間近で見るようになり、新たな一面を発見することも多かったようだ。

有美さん「夫はすごく元気があって、人付き合いも上手。そういう印象をもともと持っていたんですが、仕事上での取引先とのやりとりなんかを目の当たりにして、より彼の人柄の良さが見えてきたように思います。ビジネスとはいえ人対人なので、やはり人に好かれることが大事。パートナーが誰かから信頼されているとか、好かれていることが実感できるのって、うれしいですよね」。

互いの仕事状況をふまえ、家事や育児を分担

夫婦で魚屋をはじめたことで、仕事と家庭の境界線は曖昧になった。しかし、ふたりにとってはそれが心地いいという。

(写真:OCEANS)

有美さん「一緒に仕事をし始めてから『両立』という感覚がなくなりました。両立って仕事と家庭を完全に分けて、どっちもうまく回していかなきゃいけないイメージですけど、私たちの場合は仕事も家庭も混ざっている。例えば10分間だけ仕事のミーティングをして、手が空いたら30分子供と遊んで、また仕事に戻ってっていう。全部ごちゃまぜだから、2つのことを別々にやっている意識がないんですよね。私も夫も、そういうスタイルにストレスを感じない人だったのでうまくいっているんだと思います」。

加えて、お互いに抱えている仕事の量や重さもわかるため、相手の状況に応じて家事や育児をフォローしあえるようになった。

有美さん「家事と育児を平等に分担している夫婦でも、どちらかが仕事で忙しい時には『なんで助けてくれないの? ちょっと多めにやってくれてもよくない?』って不満を抱いてしまうこともあると思うんです。だから、仕事、家事、育児のタスクをすべて並べて、そのうえでどう割り振っていくかを決めるやり方はフェアだと思うし、納得感があるんですよね」。

和浩さん「仮に別々の仕事をしていたとしても、それはそれでうまくやれていた自信はあります。でも、ぶつかる機会や不満を溜めるシーンは今より増えていたんじゃないかな。今のスタイルにつながるきっかけを作ってくれた妻には、本当に感謝しています」。

(写真:OCEANS)

仕事とは生きる糧を得るための手段でもある。それを夫婦で話し合うのは、人生の方向性を共有するという点でも有意義なことかもしれない。互いを深く信頼し、分かり合う有美さんと和浩さんの姿は、共働き夫婦の理想像のようにも思えた。

榎並紀行(やじろべえ)=取材・文

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