運動会で「そうめん」を食べる人たちの事情 アレンジも自在!知られざるそうめんの魅力
また、運動会と「素麺」を組み合わせた検索頻度が上昇し始めたのは、2015年から。「弁当」との組み合わせは、2017年には12位だったが、2018年になって3位に急上昇。そうめん弁当は、3年前から運動会で人気となり、今年になって日常の弁当にも広がってきたと言えそうだ。
heavydrinkerの名で刊行した『見ためは地味だがじつにウマイ! 作りたくなるお弁当』(KADOKAWA)でそうめん弁当のレシピを紹介したのが、料理家のMAYA氏。高校2年生の息子、小学校5年生の娘、小学校1年生の息子を持つ母親だ。運動会でそうめん弁当をよく見るようになったのは、2~3年前からと話す。
息子の一言がそうめん弁当を作るきっかけに
MAYA氏自身が作り始めたのは、4年前。中学校に上がった長男が弁当を学校に持っていくようになり、食欲が出ない夏に「お肉とか白ご飯とか食べたくない。麺とか冷たいやつだったら食べられるよ」と言われたことがきっかけだ。
当時、介護系の仕事をフルタイムでしていたMAYA氏は、息子と同じ弁当を会社員の夫とそれぞれが職場に持っていっていた。自分でも食べながら、試行錯誤して完成させたのが、同書に紹介したレシピ。読者からは、「すごく柔らかくなってまずくなると思っていたら、いい意味で予想を裏切られました」といった声が寄せられているという。
ポイントは揖保乃糸や半田そうめんなどコシが強い麺を使うこと、商品指定のゆで時間どおりにゆで、クッキングシートで押さえて水分をしっかり取っておくこと。「早めにお湯から引き上げたほうが堅めになると思われがちなんですが、そうめんの芯が残っていると、空気中の湿気を吸い込んで伸びてしまうんです」とMAYA氏。
フォークで一口大に丸めると食べやすいが、つゆの中に入れるとそうめんはすぐにほぐれるので、弁当箱の中に広げて入れるだけでもよい。つゆは、キンキンに冷やして保温力がある水筒に入れておくと、お昼に冷たいそうめんとして食べられる。MAYA氏の長男は、弁当箱の中につゆを流し込み、つけ麺状態にして食べているそうだ。残ったつゆは、水筒に戻しておけば、持ち帰るときにこぼれる心配がない。
そうめんだけだと栄養バランスが気になるが、MAYA氏は「必ずしも一食一食で完全に栄養をとらないといけないわけではない。夜や朝、次の日ぐらいまでの間で必要な栄養がとれればいいと思います。弁当は好きなものを入れたほうが、結局子どもが完食してくれるんです」と言う。
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