分散投資の「分散」の意味を知っていますか 投資で儲けたいと思ったらまずは「基礎固め」
投資方法に絶対的な正解はないかもしれませんが、これから資産形成を考える人にとって、やはり「投資信託」は良い選択です。もちろん投資信託の投資先は必ず明確化されていなければなりません。投資信託(ファンド)の運用責任者にとっては所信表明のようなものであり、たとえば「私(たち)のファンドは、日本の株式市場に上場していて、社会に貢献しつつ成長が期待できる会社に投資をします」といったものです。ファンドによっては、北米の株や、新興国の国債に投資をするものなど、本当にさまざまです。
「どこのマーケットに投資をする投資信託なのか」に着目し、カテゴリー分けをして、リスク低減効果が見込める複数のファンドを組み合わせるのが「分散投資」です。この時のカテゴリーは、日本の株式と債券、先進国の株式と債券の4つを「基本の4資産」と呼びます。ここに新興国の株式と債券が加わり「6資産」と言ったり、日本や先進国の不動産を加えて「8資産」と言ったりすることもあります。
金融庁は、日本の株式と債券、先進国の株式と債券、新興国の株式と債券へ6分の1ずつ分散し、20年間投資を継続したら年平均リターンが4%だったという実績としての証拠(エビデンス)を示しています。したがって、これに倣った(あくまでも過去の実績ですが)分散投資をしたければ、6つの投資カテゴリーを意識して投資信託を選べばよいのです。
「シーソーの関係」にある投資先を組み合わせる
では、投資信託それぞれの投資カテゴリーはどうやって判断すればよいのでしょうか? もちろん金融機関の担当に聞くのもひとつですし、目論見書といういささか不親切な資料や、ちょっと良いことばかりにフォーカスしがちな販売資料(パンフレット)にも書いてありますので、それぞれで確認ができます。あるいは、モーニングスター社など、独自で投資信託の比較分析を掲載するサイトを見るなどしてもよいでしょう。
ここで予備知識として持っておいてほしいのが、「分散にふさわしい投資カテゴリーとはなにか」ということです。たとえば株と債券という言葉は対になって表現されることが多いのですが、これはその2つの特性がシーソーのような関係にあるからなのです。つまり、株へ投資をすることは、「出世払いでいいから頑張れ!」とその会社に資金を提供することに近いです。成長にはアップダウンが伴い、利益は変動的です。一方、債券に投資をすることは、「お金を貸すから、ちゃんと利息もつけて返してね」と約束することです。決まった金利と元本償還が原則です。
前者を「変動金利」、後者を「固定金利」とたとえて考えるとわかりやすいです。たとえば住宅ローンを借りようとする場合、今後金利が上昇傾向にあると変動金利は敬遠して固定金利に注目します。一方金利下降の局面であれば固定金利より変動金利に人気が集まります。これは「借りる」場合なので、「投資」の場合は逆になります。いずれにしても一方が上がれば、一方が下がるというシーソーのイメージは湧くのではないでしょうか? シーソー関係にある投資先を組み合わせる、これが「分散投資」のテクニックです。
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