しかし、今の銀行はそういう業種には「前例がない」と言って融資はおろか見向きもしないところが少なくないわけですから、それならAIですべて済むはずです。実際、岩手県・紫波町で、「オガールプロジェクト」(「雪捨て場」のようになっていた駅前の公有地を「公民連携」で再開発。都市と農村の新しい結びつきを創造するプロジェクト)を開始するときには銀行に融資を依頼しましたが、当初は県内の信用金庫に至るまで、軒並み却下されました。
銀行は、さっさとAIを導入して銀行員の給料を300万円くらいまで下げて、みなさまが金融機関に払っている手数料(外貨交換手数料が一番ひどいですね。米ドルを買うときも売るときも両サイドで1円ずつとるって、なんなんでしょうか)など、タダやタダに近い形にできるものがたくさんあるでしょう。これがサービス業というものであります。
新たな中小企業のビジネスモデルが確立しつつある
一方、「金融業以外で大きな流れが来ているな」、と思われるものに、われわれのような中小企業の活躍できる場が大きく広がってきたことがあります。これまでの大量生産による「安くて品質が均一のもの」を、「広告宣伝費をバラまいて大量に販売する」、というビジネスにおいては、中小企業はその量をカバーできる設備投資ができないので、特に工業に関しては大企業の下請けに入るしか生きる道はありませんでした。小売業などでは、大手スーパーなどに一方的に淘汰されるだけで、日本中の商店街がつぶれまくったわけです。
ところがここ数年、「消費者の大量生産品(工業製品)離れ」、がますます鮮明になってきています。従来からの消耗品は徹底的に安い物を追求する一方で、本当に欲しい物・・・・人によっては洋服だったり、車、家具、時計など、食べ物も高級イタリアンやフルーツなど・・・についてはある種「値段は関係なく、良い物には支払う」、という消費者がどの分野も激増しているのです。
こういうものを扱っている中小企業(ほぼ個人商店と言っていい)はすごい利益率を誇るわけですが(単価が高いから)、そのオーナー達は作っている動機そのものが売れるから、ではなく、自分が好きだから、という方が非常に多く、マニアックな供給者とマニアックな消費者が固く結びあったようなビジネスモデルが出来上がっています。SNSのお陰で広告宣伝料なしにあっという間にマニアの間に情報が拡がっていき、売り上げが増えていく、というのが最近成功している新しい中小企業のビジネスモデルなのです。
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