知之はこう言っていたのだが、結子の仲人からも、確認の連絡が入った。
「結子が『年下だとは思っていたけれど、8つも下だとは思わなかった。本当に私で大丈夫ですか? お断りしてもらっても構いませんよ』と言っています」
結子の仲人には、「当男性会員にも年齢差を確認したが、それを承知のうえでお付き合いしたい」と言っていることを告げ、2人は交際に入った。
初めてのデートは終電まで
初デートは、パーティから2週間後だった。
婚活の通例でいくと、交際となり連絡先を交換し、そこから1週間以内に初デートをしているカップルは、成婚までたどり着く可能性が高い。ところが初デートが、2週間、3週間先となると、出会ったときのテンションがすでに下がっているので、それから1、2度食事をして、交際終了となることが多いのだ。
知之はすぐに会いたかったようだが、週末の2人の予定がどうしても合わなかった。
「僕は、土曜日が夜遅くまで仕事で、日曜日が空いていました。彼女は、土曜日は空いていたけれど、日曜日はイチゴ狩りバスツアーに友達と行く約束をしていたんです」
しかし、その2週間、メールのやり取りは頻繁にしていたようだ。また、イチゴ狩りに出掛けた結子は、現地からその様子を写メして、おいしそうなイチゴの写真や、ランチの写真などをリアルタイムで送ってきたという。
「メールのやり取りも1日4往復、5往復していました。そんな中で、『今度僕らもイチゴ狩りに行きましょう』と、約束をしました」
マッチングした相手とうまくいくかいかないかは、こんなふうに連絡を密に取っているか取っていないか、相手の懐に入っていける会話ができているかできていないかにかかっている。
もしも2週間何の音沙汰もなく、週末が近づいてきたときに『○月×日は、どこで食事しますか』『では、銀座のどこどこで19時に』という業務連絡のようなメールをしていたとしたら、気持ちのテンションが下がったまま初めてのデートをすることになる。
そうなると、“パーティのときとは、何か違うな”と感じ、それで交際終了になることが多いのだ。
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