安倍陣営が進める執拗な「石破つぶし」の中身 離反しそうな議員を周到に取り込み

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3日午後、総決起集会で気勢をあげる安倍晋三首相(写真:共同通信)

9月3日、自民党総裁選への出馬を予定する安倍晋三首相と石破茂元幹事長の選挙対策本部の発足式がそれぞれ行われた。圧倒的なリードが伝えられている安倍選対の発足式には、外遊中の二階俊博幹事長は欠席したものの、麻生太郎財務相や岸田文雄政調会長、石原伸晃元国交相など大物議員がずらりと顔をそろえ、国会議員260人と秘書86人の合わせて346人が集まった。

一方で石破陣営の選対本部発足式に参加したのは国会議員が17人で秘書が10人余り。しかも肝心の石破氏本人は西日本豪雨被害の視察のため、岡山と広島に入って不在。盛り上がりに欠けていた。

集まった議員の数は文字どおりのケタ違いである。選挙戦に入る前にすでに勝負はついているように見えたが、安倍選対は締め付けを緩めようとはしていない。なぜ、これだけの出席者が集まったのか。

「ご本人が出席してください」

「(7日の出陣式には)ご本人が出席してください。ご本人が“向こう”で、こちらには(代理の)秘書さんということがないように」

発足式の終わりに出席議員に対してこのような呼びかけがあったのは、“離反者”を防ぐためだろう。

もっとも各派閥はすでに、強い引き締めに入っている。8月7日には二階派が安倍首相を推薦する所属議員の署名を届け、選対本部発足式直後には甘利明元経済財政政策担当相も麻生派の署名を安倍首相に手渡しした。今回の総裁選では、甘利氏は安倍選対本部事務総長を務めている。

安倍首相が所属する細田派も、推薦の署名を行うことを決めた。出馬予定者を出身派閥が推薦するのは異例なことだ。

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