石破ビジョンは「実行可能な政策」といえるか 北朝鮮への対処で独自路線を表明したが…

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福井市で開かれた自民党福井県連の会合で講演する安倍首相(左)と、国会内で公約発表の記者会見をする石破元幹事長=27日午後(写真:共同通信)

自民総裁選を巡って2人の候補者の動きが活発化している。安倍晋三首相は8月26日、訪問先の鹿児島県で9月20日に行われる自民党総裁選に出馬することを正式表明した。この動きに対抗するように、すでに出馬表明していた石破茂自民党元幹事長が翌27日午後、議員会館内で会見を開いて政策を発表した。

故・田中角栄元首相の影響

「日本創生戦略-石破ビジョンー」と名付けられたリーフレットの内容は、①ポストアベノミクスへの展開、②個性と自立性を発揮し、地方で成長と豊かさを実感できる真の地方創生の実現、③より人を幸福にする福祉社会の実現、④人生100年時代の新たな社会の創生、⑤自立精神に富み安心・安全な国の構築、という5本建てだ。

現政権に対峙すべく「国民本位の政治・行政改革で国民の信頼を回復します!」と心機一転の政治を目指す一方で、「すべての人が幸せを実感できる国づくり」を掲げる根底には、かつて石破氏が師事した故・田中角栄元首相の影響が伺えた。

出馬表明の際にキャッチフレーズとして前面に押し出した「正直、公正、石破茂」が安倍首相への当てつけとの批判もあったが、政策リーフレットの表紙にもその文言を採用。政策の内容には森友学園問題・加計学園問題を意識した事実も散見される。

出馬会見で“目玉”とされた「政治・行政の信頼回復の100日プラン」の策定については、「まず官邸の信頼回復だ」と石破氏は会見で森友学園問題・加計学園問題が落とした影について言及した。そして森友学園問題での公文書隠蔽・捏造事件で「官僚による官邸への忖度(そんたく)の根源になっている」と批判された内閣人事局の運営の見直しや、官邸主導の透明化を向上させることなども主張している。

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