今は日経平均2万3000円超えたらいけない病

この「病気」が蔓延する根拠はどこにあるのか

前述のような「何となくの売り」は、企業業績がどの水準で、方向は増益か減益か、またそうした企業収益と比べての株価が割高か割安か、といった視点が全く欠けている(もちろん、株価チャートは企業収益も含めた森羅万象を全て反映しているのだから、株価だけみればよいのだ、という反論はあるだろうが)。

前回執筆した当コラム「不安定すぎる日経平均は一段と下落するのか」でも述べたが、日本経済新聞の集計(金融を除く主要企業1588社が対象)によれば、2018年4~6月期決算については、税引き後利益は前年比28%も増加し、(4~6月期だけをみての)最高益企業は24%にものぼるという。
主要証券会社等の企業業績見通しの最新版は、今月9月に公表される予定のところが多いが、先般6月時点では米ドル円相場が2018年度平均で105円との前提を置いて、東証1部で2018年度に経常利益が5~10%増益になると見込む向きが大勢だった。最新予想では4~6月期の収益実績が想定を上回っていたことや、ドル円相場が前提よりも円安水準で推移し続けていることなどから、アナリスト予想も全般には上方修正されるのではないか。

こうした企業収益実態の堅調さに対して、前述の「2万3000円超えたらいけない病」や、アメリカの通商政策が米中経済などに対して及ぼす悪影響への懸念、さらにはアルゼンチンやトルコを中心とする新興国の通貨大幅安の継続などを受けて、国内株価も上値を抑えられている。結果として、TOPIX(東証株価指数)の予想PER(株価収益率、ファクトセット調べ)は、8月末現在で13.0倍にとどまっている。この2週間ほど13倍を割り込んでいたことから考えれば、やや持ち直したとは言えるが、第2次安倍政権発足後の予想PERが、概ね13~16倍で推移していたことを踏まえると、「まだ株価は売られ過ぎで放置されている」と判断できる。

日経平均が2万4000円を大きく超えても不思議ではない

「TOPIXと日経平均が、今後同率上下する」という仮定を置いて、TOPIXの予想PERが、上記のレンジの中央値である14.5倍まで何とか戻った(上限の16倍までは戻れない)、という場合、日経平均は2万5450円水準となる。加えて「足元のNT倍率(日経平均÷TOPIX)が高率であり、TOPIXが上昇するほどは、日経平均は上がらないだろう」と考えれば、年内の日経平均のメドは、2万5000円手前までにとどまるかもしれない。

それでも、現在の企業収益が堅調であるため、種々の慎重な前提(TOPIXの予想PERが、せいぜい14.5倍までしか上がらない、また日経平均はTOPIXほど上昇しない)を置いても、日経平均が2万4000円を大きく超えても全く不思議ではない、という結論となる。

そうした試算から考えると、やはり足元の弱気は、すぐでないとしても、日経平均がいずれ2万3000円を超えてくることで、強気にドテンする(売りと買いのポジションを逆にする)可能性が高いと考えられるのである。

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