北朝鮮経済の仕組みは「マクドナルド的」だ 知られざる社会主義的フランチャイズ

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北朝鮮がマクドナルド方式を採用し、民間企業を部分的に国家経済に組み入れている理由はほかにもある。

北朝鮮の役人の多くは、事業資金の不足に悩んでいるだけでなく、経営についてもまるで知識がない。事業がうまくいっているのかどうか、どれだけ儲かっているのかといったことすら、ろくに評価できないありさまなのだ。

マクドナルド方式の堕落した姿

北朝鮮は非常に腐敗した国家であり、大量の取引が現金で決済されている。もちろん、国営企業のフランチャイズ加盟者は国の銀行口座を持たされ、定期的に監査を受ける立場ではある。しかし、脱税しようと思えば、方法は簡単に見つかる(現金決済は足がつかないので、資金の動きをごまかすのに都合がいい)。

金儲けを考えた場合、民間の実業家、政府の役人の双方にとってメリットが大きいのが、フランチャイズ方式なのである。

事業パートナーがまじめに仕事をしているかどうかをチェックするのにかかる費用を専門家は「モニタリング・コスト」と呼んでいる。このモニタリング・コストを最小化するために、北朝鮮政府は国営企業に対して、一定の上納金を四半期ごとに納付するよう義務づけていることが多い。

これと同様に、国営企業のフランチャイジーも政府に上納金を納めることになっているが、大抵の場合、義務はそれしかない。

つまり、北朝鮮で勃興する民間ビジネスの本質とは、マクドナルド方式の堕落した姿といっても過言ではないのである。

(文:ピーター・ウォード)

筆者のピーター・ウォード氏は、韓国ソウル大学の社会学修士課程に在籍。
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