意外と進んでいて驚く北朝鮮「スマホ事情」 アマゾンのような通販サービスも
北朝鮮で携帯電話が広く手に入るようになったのは、今から10年前。以来、携帯電話の利用者数は大きく増えてきた。全体の利用はまだ低いレベルにとどまってはいるが、ある北朝鮮国営メディアの報道によると2500万人の総人口のうち携帯電話の契約者数は今年1月時点で350万人を上回っていたとされる。
同国営メディアは、北朝鮮でスマートフォンを展開する「アリラン」のハン・ジョンニェ氏が平壌の未来科学者通りにあるITセンターで次のように語ったと伝えている。「北朝鮮で3G回線が導入されたのは2008年12月。3Gは今年で10周年を迎える」「携帯電話の需要は伸び続けている」。
携帯契約者の4割がスマホを使っている
携帯電話の実際の契約者数については、さまざまな見方が混在している。ただ、複数の専門家によれば、契約者数はすでに500万人に迫り、このうち約4割がスマートフォンを利用しているという。
前出の国営メディアには、「ショートメール、アドレス帳、音声認識といった各種機能に加えて、デザイン面もスマホの訴求ポイントになっている」というアリランのハン氏によるコメントが引用されている。「3G回線のサービスが始まってから、料理や長寿の秘訣、病気の治療方法などに関する各種アプリが開発され、ユーザーの学習や生活に役立ってきた。年齢や性別に関係なく遊べるゲームアプリもある」とハン氏は述べている。
もちろん、北朝鮮のスマホ利用者は世界に広がるインターネットにアクセスすることはできない。利用できるのは、国が管理している閉じられたイントラネットだけだ。
各種報道によると、北朝鮮ではゲームからショッピングに至るまで、さまざまなアプリが利用可能になっているという。また、複数の北朝鮮国営メディアは、これらアプリが北朝鮮で独自に開発された点を強調している。
北朝鮮国営メディアが伝えるところでは、北朝鮮の人々はスマホでゲームをしたり、電子書籍を読んだり、音楽を聴いたり、カラオケを楽しんだり、料理について学んだりしているようだ。農作物の収量を向上させるための農家用アプリも存在する。電子書籍リーダーとネットフリックス的な動画配信を組み合わせたような「マイコンパニオン」が人気アプリの1つだ。