意外と進んでいて驚く北朝鮮「スマホ事情」 アマゾンのような通販サービスも
コリョリンクは北朝鮮人だけでなく、外国人観光客にもサービスを提供している。一方、カンソンネット網とピョルは北朝鮮人しか利用できない。
これまで、北朝鮮には4種類のスマホが登場している。2014年に「ピョンヤン・タッチ」が発売されたのに続いて、2017年6月には「チンダルレ」が登場。2017年に市場投入された「アリラン」シリーズは2018年3月に最新モデルへとアップデートされ、2018年6月には「プルンハヌル」という新シリーズが誕生した。
アプリストアは実店舗
北朝鮮ではスマホ利用者の大半がインターネットに接続できないため、事情通によると、アプリをインストールするにはサービスセンターまで出向かなければならない。
「スマホを買ったとしても、多くのユーザーはゲームや辞書など、最初からインストールされているアプリで満足するしかない」と、韓国経済研究所の客員フェロー、キム・ヨンホ氏は語る。
「アプリをインターネット経由でダウンロードする(われわれが日頃使っているような)アプリストアは存在しない。その代わりにコミュニケーション・センターという場所に出かけていって、北朝鮮逓信省が許可したアプリをダウンロードすることになる」(キム氏)
キム氏の発言は、今年3月の北朝鮮ニュースの報道内容とも合致する。北朝鮮ニュースは、北朝鮮国営メディアの報道に基づき、「Samhung情報技術交流社」が「700の支店や代理店」を通じてアプリを販売していると伝えている。
アリランも同様の店舗網を通じてアプリを販売していることが昨年末に報じられた。
「アプリストアは(オンライン上の店ではなく)実店舗になっている」。消息筋の1人は当時、こう語っていた。「今ではセキュリティが強化されていると聞いている。だから、もうアプリを簡単にコピーし合ったりすることはできない」