意外と進んでいて驚く北朝鮮「スマホ事情」 アマゾンのような通販サービスも

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北西部の会寧(フェリョン)市から最近、脱北した人物は、主にゲームをするのにスマホを使っていたという。

「脱北するまでの少しの期間、スマホを使っていた。(『ペクトゥ山からハルラ山へ』という)バイクレースのゲームとかで遊ぶことが多かった。あとは、電話するのに使うくらい」。2017年に脱北したチェ・スンジン氏は、北朝鮮ニュースの取材にこう語った。

アマゾンのような通販サービスも

「新しいゲームをダウンロードしたくなったときは、そのアプリを持っている知り合いに頼んでパソコンからスマホにコピーしてもらっていた。映画をメモリーカードにコピペするのと、まったく同じ要領だ」(チェ氏)

北朝鮮の人々はビジネスにもスマホを使っている。韓国の経済ニュース専門ケーブルテレビ局「MTN(マネートゥデイ放送)」が6月に報じたところでは、為替レートのチェックや送金にスマホが使われている。

北朝鮮には、ほかのスマホユーザーに資金を送るための「ウリム」というアプリがある。利用者は購入したギフトカードにクレジットを入金。そのギフトカードをアプリに登録し、相手の電話番号を指定することで送金する仕組みだ。

アマゾンのような通販サービスも伸びており、北朝鮮のイントラネット上には「ウンパサン」「シルリ」「オクリュ」「マンムルサン」「ネナラ」など、複数の通販サイト(あるいは通販機能を持つサイト)が存在する。

北朝鮮で携帯電話事業を手掛けているのは、「高麗(コリョ)リンク」「強盛(カンソン)ネット網」「ピョル」の3社。コリョリンクは、エジプトの通信大手、オラスコムと北朝鮮国営の朝鮮逓信公社(KPTC)による合弁で、出資比率はオラスコムが75%に対してKPTCは25%。北朝鮮で初めて生まれた携帯電話会社がコリョリンクだった。

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