47歳「開業医の妻」が見た医師夫婦の結婚事情 憧れの座に就いても、逆に苦労も絶えない
この点、由香里さんは、「たとえば、お盆のときのお墓の掃除は大事な役割です。これをやらないと『ダメな嫁』という烙印を押されてしまうんです。でも、それはほかの家の妻も同じ立場。だから、お盆が始まったらすぐにお墓に行かないと、ほかの家に掃除されてしまうんです。ちなみに、去年はフライングぎみにお盆前にお墓に行ったら、すでに掃除された後でした……」と述べる。
「医師の妻」の役目
親戚付き合い以外にも、医師の妻となるとともかく多忙な業務が発生する。たとえば、患者やお世話になった名士が亡くなった場合、まず葬儀に足を運ぶのは妻の役目だ。また、大学病院の教授にお中元やプレゼントを贈ったり、教授の妻とランチを共にしたりして良好な信頼関係を築くのも医師の妻の大事な役割だ。
由香里さんの夫のようにクリニックを経営する開業医の場合、大学病院からの紹介は重要な患者獲得ルートの1つになる。大学病院から安定的に患者を紹介してもらえれば、それはクリニック経営の安定化に資する。
教授がどのクリニックを患者に紹介するかは、教授次第の部分が小さくない。だからこそ、大学病院教授やその妻との人間関係の構築は、縁の下の力持ちで夫を支える妻の重要な任務なのだ。
さらに、より優秀な医師であるためには、つねに情報のアップデートが求められる。夫が向上心の高い医師であるほど、資格試験に費やす時間が多くなる。また、救急病棟に勤務する医師であれば、休日や夜中でも関係なく呼び出されることも多い。
そうなると、家族でゆっくり過ごす時間が相対的に少なくなり、妻からすると不平不満が出る環境になりやすい。そうした状況が妻の結婚当初の期待とあまりにも大きく乖離していると、我慢ができなくなり離婚に至るケースも起こりうるのだ。その点でも、夫のために自らの時間や労力を差し出す「献身性」が医師の妻には求められるのかもしれない。
婚活中の独身女性は誰しも幸せな結婚生活を求めている。その中でも、強い経済力と高い社会的地位を有した医師の妻は多くの女性にとってあこがれの座だ。計算力の高い賢い女性ほど、結婚相手によりよい条件を求める傾向がある。その気持ちはよくわかる。しかし、結婚は条件さえ満たせばうまくいくというものでもない。
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