47歳「開業医の妻」が見た医師夫婦の結婚事情 憧れの座に就いても、逆に苦労も絶えない

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裕福な家庭においては、多くの男性が母親に溺愛されて育ってきている。つまり、医師にはマザコンが多い。また、幼少の時より手厚い教育を受けているため、学業成績も優秀だ。そのため、医師にはつねに周囲から称賛されちやほやされて育ってきた男性が多い。しかも、医学生を経て医師となるにつれて、しだいに社会的地位を得て周辺の人々からは先生と呼ばれ、あがめ奉られる存在になる。

そうした環境が彼らにとってはあまりにも一般的だったため、男性医師は無意識のうちに、自らを称賛してくれる犠牲心が強く献身性の高い職業に就く女性を結婚相手に選んでしまうのだ。そして、後述するが、実際に医師の妻としてこの「献身性」は非常に重要な能力だ。

2つ目は、折角苦心して医師の妻となったにもかかわらず、離婚するカップルが意外と多いことだ。公的な統計があるわけではなく、あくまで由香里さん目線の話となるが、由香里さんが所属していた医師の夫婦が集うある同好会では、メンバー10組の夫婦のうち6組が離婚したという。

夫が同僚女医との浮気で相手を妊娠させてしまったケースや、夫が海外の大学病院へ留学するのに伴って、夫の気持ちが離れてしまうなど、パターンはいろいろある。しかしその中でも多いのが、妻がもともと期待していた結婚生活が送れずに不満が爆発し離婚に至る事例である。

夫の一族からの過剰なまでの干渉

医師の妻となるとまず直面するのが、夫の一族からの過剰なまでの干渉だ。医師の家系はともすると、親戚一同とも医師であることは珍しくない。そうすると、これらの血縁家族との比較競争がプレッシャーとなってくる。

端的な例が子どもの進学先だ。医師の一家は体裁を重視するので、小学校や中学校などなるべく早い段階から有名私立の学校に通わせたがることが多い。そうすると、つねに「親戚の○○ちゃんは慶應幼稚舎に入った」などといった情報が耳に入ってくることになる。自分の子どもがそうした名門校に入れず、親戚の子どもが入るようになると、親戚の中での序列が下位に落ちてきてしまう。

また、医師の一族にはボスとして君臨する高齢者がいるケースもある。そうしたボスの機嫌を損ねると親戚付き合いに支障を来すため、いかにその一族のボスに対して貢献しているかをアピールすることが重要になってくる。

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