サッカーW杯熱狂の陰で開幕したFリーグの今 AbemaTVは観るフットサルを定着化できるか

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「サイバーエージェントは先行投資に長けている印象があります。もしFリーグに大きな将来性が見いだせなければ、今の配信が長く続くとも限りません。逆に、昨年より視聴数が伸びているということは、さらに伸ばせる要素があるということ。

AbemaTVの視聴数を増やすために、プロジェクトを立ち上げた北原亘氏(筆者撮影)

AbemaTVが、新規顧客をどこまで取り込めていて、まだ潜在顧客を取り込みきれていない理由はどこにあるのか。これを検証すればもっと視聴数が増やせるのではないか。

そう思って、有志でプロジェクトを立ち上げて、検証をすることにしました」

北原氏が言うように、確かに、Fリーグの配信効果がこのまま右肩上がりに上昇し続けるとは限らない。

AbemaTVが本気で取り組んでいる今がチャンスととらえる北原氏の勝負勘は、長年の競技生活の中で養われてきたものなのかもしれない。

プロジェクトが導き出したいもの

こうして北原氏が立ち上げたプロジェクトが「スポーツを初めて観る人が本当に楽しめるか会議」だ。

このプロジェクトには、北原氏らフットサル関係者だけでなく、競技の枠を超えて賛同したサッカー選手やビジネスパーソン、大学生らの有志が集まっているという。

主な目的は、まだ潜在顧客を取り込みきれていないことの原因を突き止めるために、視聴者にフットサルコンテンツの良し悪しを判断してもらい、意見をデータ化することにある。

直近の取り組みとしては5つのチームが、さまざまな視点で仮説を作り、企画を立て、9月8日・9日に丸善インテックアリーナ大阪で行われるFリーグセントラル大会の際に、自らの施策を実施する。

現在は、フットサルコンテンツ自体に魅力はあるのか、潜在顧客に認知されているのか、視聴環境はマッチしているのか、コンテンツの見せ方に改善点はないのか等、さまざまな視点で仮説が立てられている状況とのことだ。

現段階では、このプロジェクトがどのように進んでいくのかは、まったく未知数だが、このプロジェクトにAbemaTVがどのように絡んでいくのか、という点にも注目したい。

この大阪ラウンドの試合には、サッカー元ブラジル代表のロベルト・カルロス氏が参戦する。2012年に現役を退き、6年ぶりの公式戦出場となるが、フットサルファンのみならず、サッカーファンからも注目の集まる2日間になりそうだ。

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