GAFA以降のゲームルールにどう立ち向かうか 彼らの目指すもの、つまるところ金儲け

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東京という場には、産官学全てが揃っていて、金融や芸術、食の先端も含めて何でもあることが最大の強みであり、これがGAFAのエコシステムと戦える巨大な仕組みになるというのである。

いずれにせよ、本書については、かなり多くの経営の専門家が掘り下げてコメントしているので、ここでは繰り返しになるのを避けて、本書の3つ目のテーマである「GAFAが創り変えた世界で、私たちはどう生きるか?」について触れてみたい。

本書は、最後の章で、GAFAが支配する世界で個人はどういうキャリアを目指すべきかについても語っている。著者は、GAFA以後の世界について学ぶことは、現代人の必修科目だとした上で、次のように語っている。「大まかに言ってしまうと、現在は超優秀な人間にとっては最高の時代だ。しかし平凡な人間にとっては最悪である。」そして、その行きつく先は、「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」なのである。

GAFAがここまで成功した原因でもあり結果でもあるのが優秀な人材の確保である。GAFAには、今よりGAFA以前の世代で成功を収めた人々が結集している。新しいビジネスを理解しているGAFA以前の人たちがGAFAに入っていくことによって、前世代で蓄積されたノウハウや知見が活用されているのである。

また、GAFAに共通しているのは、IT、投資銀行、コンサルティング出身の人材だけでなく、社会科学の専門家、例えば行動経済学やゲーム理論、マーケットデザインといった経済学などの博士課程出身者や、工学系でも一流の研究者としても活躍できる高度なノウハウを持っている人材を積極的に好待遇で採用していることである。

彼らは超一線級の研究者であり、圧倒的な量のデータを活用できる魅力や、世界最高水準の知性に囲まれて戦うことに魅力を感じてアカデミアを去ったプロフェッショナルたちである。こうした人たちが、最先端の研究を経営の現場に応用し、GAFAの成長を加速させている。(前出「GAFAの経営戦略、実は『古くさい』ものばかり 『覇権の4強』を経営戦略から読み解く」)

このように、GAFAには日本企業には見られない人材の多様性があり、そのように多様な人々が同じ文化の中で新しいものを作ろうという空気ができているのである。

日本の企業の場合

それでは、日本企業はどうであろうか。冒頭でGAFAの時価総額について触れたが、これに関連して、最近、「昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る」という特集が出ている。 ※世界の時価総額ランキング50社の比較表

これによれば、平成元年(1989年)の世界時価総額ランキング50位以内に、32社の日本企業が入っている。(※日本32社、アメリカ15社、イギリス3社)

これに対して、平成30年(2018年)の世界時価総額ランキング50位以内に、日本企業は1社しか入っていない。(※アメリカ31社、中国7社、イギリス2社、スイス2社、フランス2社、日本1社、韓国1社、香港1社、台湾1社、ベルギー1社)

誰かがネットで、これを見れば平成という時代が何だったのか、ほとんど説明できてしまうと言っていたが、全くその通りだと思う。

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