GAFA以降のゲームルールにどう立ち向かうか 彼らの目指すもの、つまるところ金儲け

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本書では、こうした多様なバックグラウンドを持つ大学教授ならではの多角的な視点で、GAFAという巨大企業を紐解いている。

GAFAは、今、私たちの生活のオペレーティング・システムとしての地位を獲得すべく壮絶な戦いを繰り広げており、最終的にその勝者が手に入れるものは何なのだろうか? GAFAの中でも、特に著者が注目しているのが、いち早く1兆ドルの時価総額を達成したアップルではなく、二番手につけているアマゾンである。

なぜなら、アマゾンはITの領域だけでなく、リアルな店舗の支配にまで乗り出しているからである。小売業はアメリカ経済全体としては成長していないのに、アマゾンだけが成長している。その中で、誰が敗者なのかと言えば、アマゾン以外の全てなのである。

「GAFA以前」と「GAFA以降」

著者はアマゾンをロボティクスで武装した倉庫付きの検索エンジン、そして地球上最大の店舗として捉えている。つまり、アマゾンはデジタル・ディスラプション(デジタルテクノロジーによる破壊的イノベーション)を通じて、リアルな小売市場をも席巻しつつあるのである。

買い物をするとき、私たちは今やGoogleでなく、アマゾンで検索をするようになっている。全米の世帯の52 パーセントにアマゾンプライムがあり、富裕層では固定電話よりアマゾンプライムと契約する世帯のほうが多いと言われている。更に、アマゾンはそのシンプルで明確なストーリーテリングによって、安価で長期で巨額な資本を手に入れているのである。

このように、もはや、世界の歴史は、「GAFA以前」と「GAFA以降」とでも言うような様相を呈している。従って、その内容の是非や事の善悪を論じる前に、GAFAが支配する世界の現状を知るために、まずは本書を読んでみなければならない。

GAFA登場のインパクトについは、本書の出版元である東洋経済新報社がオンラインメディアを通じて、何回も、かつ多面的に記事をアップしている。

ここまで内容を詳しく書いてしまうと本自体が売れなくなってしまうのではないかと心配になるほどだが、特に、慶應義塾大学総合政策学部准教授の琴坂将広氏の「GAFAの経営戦略、実は『古くさい』ものばかり 「覇権の4強」を経営戦略から読み解く」と、経営共創基盤 取締役マネージングディレクターの塩野誠氏の「日本人は『GAFAの恐ろしさ』を知らなすぎる『四強企業の真実』は現代人の必須科目だ」は解説が素晴らしく、一読をお勧めしたい。

また、企業体ではなく、「東京」という場をGAFAの競合相手として取り上げて論じている、東京大学大学院工学系研究科職員・政策研究大学院大学政策研究院リサーチフェローの田中和哉氏の「東京には『GAFAに勝つ潜在力』がある根本理由 テック4強の経済圏は『現代の護送船団』だ」のユニークな視点も一読に値する。

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