イタリア「橋崩落」どうして防げなかったのか

閉鎖や規制は最終手段と考えていた可能性

ジェノバで17日、立ち入り禁止となった自宅から身の回りの品を持ち出す住人ら(2018年 ロイター/Massimo Pinca)

[ローマ/ミラノ 23日 ロイター] - イタリア北部ジェノバで14日崩落した高架橋の下で暮らす住人は、長年この橋がぼろぼろの状態だと知っていた。この橋から、これまで破片が住宅や車に落下し続けていたからだ。

高架橋の上を走行していた車を巻き込み、43人が犠牲となった事故発生の1カ月前には、住民が高速道路の保守を担当するジェノバの責任者と会合を持ち、対応を質問していた。

数十年にわたり海風にさらされていた

隣国フランスとジェノバを結ぶ高速道路が通るこの高架橋は、高さ約50メートル、長さ1.2キロのつり橋で、数十年にわたり海風にさらされ、徐々に腐食が進んでおり、常に補修作業が必要な状態だった。

住民は、我慢の限界に達していた。先月18日の会合では、昼夜を問わず行われる補修作業が睡眠の妨げになっていると、高速道路の運営会社アウトストラーデ・ペル・イタリアの職員2人に対し、彼らが不満をぶつけていたことが、市議会が公開した録音で分かった。

しかし、その席上で建設から51年経ったこの橋の安全性について質問した人は、誰もいなかった。イタリア北部でよく見受けられる、公共機関に対する高い信頼の表れともいえるが、その信頼は今回の崩落事故により、根本から揺らいでしまった。

数十年にわたり橋の下に住み、常態化した補修工事に慣れきっていた住民は、橋が崩落するなど、まったく想像もしていなかったようだ。

この会合では、地元市会議員マウロ・アベネンテ氏が、最も根本的な問いに近づいた。同議員は、「この橋の残る耐用年数について、見積もりは行ったのか」と質問したのだ。だがその問いは、多くの質問にまぎれてしまい、具体的な回答は得られなかった。

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