身内で傷の舐め合い、終わらぬ「みずほ危機」 どうなる、みずほ。週刊東洋経済緊急ルポ<1>

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04年に本格化したオリコとの提携ローンは、経営が悪化したオリコを支援する施策の一つだった。「取り扱いを拡大することを前提にしていなかった」(みずほ銀行関係者)。ところが、現実にはローン残高はうなぎ上りに増えていった。今や、みずほ銀行だけでも約8000億円の残高になっており、他の提携金融機関分を加えると、その1.6倍強の残高規模だ。

顧客に対面するのはオリコ加盟店、初期審査はオリコ、最終的な融資実行はみずほ銀行という提携ローンの危うい責任分担形態を、金融庁も問題視し始めている。

大口融資規制に引っかかる可能性も

もし、みずほ銀行が問題を根治するために提携ローンを取りやめ、オリコによるローン実行へと変更しようとすれば、みずほ銀行の8000億円のローン残高は、オリコ向けの融資に切り替えざるをえなくなる。

だが、そうすれば既存のオリコ向け与信との合算で大口融資規制に抵触しかねない。反社が入り込む可能性のあるローン商品に対して大規模な融資を行うことが妥当か、という議論も生じてくる。

結局、抜本的な対処は困難であり、身動きが取れない。そうした中、地銀などが相次いで同ローンの提携解消に動き始めている。そうなると、いずれはみずほ銀行だけが同ローンの担い手として残っても、おかしくないのだ。

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