身内で傷の舐め合い、終わらぬ「みずほ危機」 どうなる、みずほ。週刊東洋経済緊急ルポ<1>

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(撮影:尾形文繁)

「風土に大きな問題があった」──。10月28日、みずほグループのトップ、佐藤康博氏の口から出た言葉は、不祥事を説明する際に経営者が用いる常套句だった。

みずほ銀行はオリエントコーポレーション(以下、オリコ)保証による提携ローンで生じた反社会的勢力(以下、反社)との取引を2年間にわたって放置。そのうえ、金融庁には、「経営レベルに取引の存在は報告されていなかった」という虚偽説明まで行っていた。

この罪に対して自ら下した罰は、みずほフィナンシャルグループ会長兼みずほ銀行会長の塚本隆史氏の銀行会長辞任と半年間の報酬返上、同グループ社長兼同銀行頭取である佐藤氏の半年間報酬返上などの処分だった。

処分の妥当性は、来年6月の株主総会においても議論を呼ぶはずだが、みずほ内外における受け止め方は辛辣だ。

みずほ銀行内部からさえ、「結局、経営陣による傷の舐め合い」という厳しい言葉まで飛び出す。なにしろ、佐藤氏は問題の本質を突き詰めずに「風土」のせいにしてしまった。「みんなが悪かった」「特にOB(前経営陣)の引き継ぎのやり方が悪かった」という結論は、要するに現経営陣を擁護することにつながっているわけだ。

情報を共有できない組織

報酬カットは2人のトップを筆頭に、現役役員42人、OB12人が整然としたピラミッドのように並んで見える。この点も、傷の舐め合いという印象を与える。

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