現場軽視の危機対応、みずほ激震は収まらず 緊急部長会の説明も表面的。危機打開の道は遠い

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「まるでしゃんしゃん総会。われわれはあんな話を聞きたかったわけではない」

10月11日夕方、都心の営業店に勤めるみずほ銀行の中堅行員は苦虫をかみ潰したような表情でこうつぶやいた。みずほ銀行はこの日、17時から東京・大手町にある本店32階の会議室で緊急部長会を開催。反社会的勢力への融資を放置していた問題について、佐藤康博頭取自らが釈明した。その様子は全国の営業店に設置されたテレビにも中継された。

今、3大メガバンクの一角、みずほが激震に見舞われている。9月27日、金融庁は信販会社との個人向け提携ローンで問題取引を放置し続けた責任を明確にするよう、業務改善命令を発出した。問題になった取引の件数は230件強で、足し合わせても2億円にすぎない中古車ローンなどの小口融資だ。

事件発覚後、当初の会社側の説明内容は、問題が経営トップのレベルには報告されていなかったということだった。

しかし、すぐにその説明はひっくり返る。10月8日、佐藤康博頭取は「経営レベルに報告があった」という新たな事実を発表。それまでの説明を覆した。

いったい、どうなっているのか。当然、行員は経営陣の説明を聞きたがっている。そこで開かれたのが冒頭の緊急部長会だ。

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