みずほの反社取引問題対応に非難相次ぐ 財界からも厳しい視線、取引先にも影響か
保証提携ローンで反社会的勢力との取引(反社取引)を放置し続けたみずほ銀行は10月4日、ようやく、記者会見を開き、今回の一件について公式の場で説明する。みずほ銀行に対して金融庁が業務改善命令を発出したのは9月27日だった。
金融庁は、反社取引の存在を把握しておきながら、2年にわたって放置し続け、かつ、取引の存在をコンプライアンス会議など経営レベルに知らせずにいたことを理由に業務改善命令を発出した。みずほ銀行が同取引の存在を把握したのは2010年12月であり、金融庁は12年12月に開始したみずほ銀行に対する検査でこの事実を把握し、みずほに指摘した。金融庁検査は13年3月に終了し、その後、みずほは指摘された反社取引について、提携先の信販会社による代位弁済という方式で処理したと言う。
だが、金融庁が業務改善命令を発出後、4日まで事実関係、釈明、対応などについて、公式の場で経営陣が説明することはなかった。
財界も反社取引を問題視
こうしたみずほの対応姿勢に対して、財界からも問題視する声が上がっている。たとえば、海外展開を強化しているみずほグループがグローバルベースでも大きな問題となっている反社取引に関して、それを放置したうえに、業務改善命令で明らかになった後も直ちに対処策などを公表することもなかったことに、他の銀行幹部は「資金洗浄など反社会的勢力による金融活動に神経質な米国当局が関心を寄せれば、海外事業にも支障が出かねないだろう」 と懸念している。
現に、過去に同様の問題を引き起こしたことがある企業では「反社取引に敏感な外国企業が瞬く間に取引をストップしてきた」と語る。
海外だけではなく、国内での事業展開についても、「いまや、業務改善命令が出て、その対処策が出ない限り、取引を停止するという社内ルールを作っている企業は少なくない。したがって、みずほが緩慢な姿勢でいる限り、ビジネスにも影響が出ておかしくない」と国際展開している製造業幹部は指摘する。
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