狂気なほど金持ちアジア人に全米が沸くワケ 「クレイジー・リッチ!」大ヒットの内幕

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もうここからは、うまくできたロマンチック映画の典型的ストーリーである。驚きがあり、混乱、躊躇、誤解、対立、落胆があり……と、わかっていながら乗せられてしまうタイプの流れとなる。

この映画の魅力はいくつかあるが、まずはクレージー・リッチを目撃できることだ。超富豪の一族がアジアには本当にたくさんいるらしいと聞いた、そういう一家が出てくる。本当かウソかは知らないが、その想像を超えた生活ぶりが垣間見れる。

ひどくかっこいいアジア人たちが次々登場する

ファッショナブルでぜいたくで優雅で華やか。映画を見ている間は、自分も登場人物になってパーティに招待されている気分になれるだろう。見たこともないような豪華なパーティや結婚式が設定され、そこに居合わせたという一種の清涼剤的効果がある。

(© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT)

もう1つの魅力は、ひどくかっこいいアジア人たちが次々と登場することである。実は主役のレイチェルは不美人ではないものの、並のレベル。一方、シンガポールにいるニックの家族は超美形ぞろいだ。

母親役のミシェル・ヨーは『Crouching Tiger, Hidden Dragon(邦題:グリーン・デスティニー)』などのアクション映画でも知られる女優だが、家柄がよくプライドの高いこんなアジアの母親も確かにいるだろうと思わせるほど、ぴったりな役を演じている。高齢の祖母も従姉妹も美しい。

そしてニックの友人たちも美人とハンサムぞろいだ。オフビートな役であっても魅力的にしてあり、何よりもその全員が金持ちなのである。架空の物語ではあっても、日本にはちょっとない勢いのあるアジア的かっこよさが楽しめる。

さて、このようにうわべはエンターテイニングなロマンスになっているのだが、この映画をもっと深く読み込むことも可能だ。実際、人種や階級という点から見れば非常に複雑な関係性が盛り込まれているからである。この底流も同作品が人々の好奇心を駆り立てる一要素だろう。

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