仕事を他人に振るのがヘタな人の悪い頼み方 「誰が何を」やるのか、細分化して伝えよう

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たとえるなら、親鳥がエサを小さくかみ砕いてからヒナの口に入れてあげるように、プロマネはメンバーが無理なく仕事を回せるよう、それぞれのスキルや経験のサイズに応じてタスクを小分けするのが大事な役目ということです。

ゴールから逆算して早めに依頼

プロマネとしてタスクを割り振る際にもう1つ大切なのは、当然ですが、とにかく「早めにタスクを割り振る」ことです。納期直前になって急な仕事を頼まれることほど、嫌なものはありません。「無理です」「できません」と断られても、致し方ないでしょう。

「そこを何とか」と無理に頼み込んで残業や休日出勤を強いることがあれば、それこそプロマネは信頼を失います。そうならないためにも、プロマネはゴールから逆算して、早めのタイミングでメンバーに仕事を割り振ることを心がけなければなりません。

たとえば、「プレゼン資料を作る」というゴールなら、それまでのプロセスで「競合他社の売り上げデータを集める」「営業部門に小売店での売り上げ動向についてヒアリングする」「資料の方向性について、プロマネとすり合わせる」「下書きと目次の段階で、一度プロマネがチェックする」といったタスクが発生します。

それらを逆算し、各タスクにどれだけ時間がかかるかを考えたうえで、早めに最初の「競合他社の売り上げデータを集めてください」というタスクを割り振る必要があります。

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これは同時に、プロマネ自身の仕事を増やさないための方法でもあります。早めに仕事を割り振れば、相手もプロマネが目指す方向性を早い時点で把握できます。途中のプロセスでも方向性が合っているか確認しながら進めれば、最終的にプロマネが求めるアウトプットを確実に出してくれます。

締め切り直前になって、こちらの意図したものとまったく違う資料が上がってきたら、プロマネも作り直しの指示や再チェックなどの2度手間が発生します。最悪の場合、担当者だけでは締め切りに間に合わず、プロマネが手伝うことになったりもします。

メンバーのためにも、そしてプロマネ自身のためにも、「タスクの割り振りはできるだけ早く、小さいサイズで」が鉄則なのです。

三木 雄信 トライオン代表取締役

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みき たけのぶ / Takenobu Miki

1年で"使える英語"をマスターする「One Year English プログラム」"TORAIZ"を運営するラーニングテクノロジー企業 トライオン株式会社代表取締役。1972年、福岡生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱地所を経てソフトバンクに入社。元ソフトバンク社長室長。マイクロソフトとのジョイントベンチャーや、ナスダック・ジャパン、日本債券信用銀行買収、およびソフトバンクの通信事業参入のベースとなったブロードバンド事業のプロジェクトマネジャーを務める。現在は、東証一部やマザーズ公開企業のほか未公開企業の社外取締役・監査役などを多数兼任。プロジェクトマネジメントや資料作成、英語活用などビジネスコミュニケーション力向上を通して、企業の成長を支援している。著書に『海外経験ゼロでも仕事が忙しくても英語は1年でマスターできる』『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』などがある。

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