仕事を他人に振るのがヘタな人の悪い頼み方 「誰が何を」やるのか、細分化して伝えよう
よって、タスクごとの担当者を必ず決めて、管理シートやガントチャートなどの紙に落とすこと。しかも、部署名ではなく、「個人名」で記載することが絶対条件です。自分に責任があるとわかれば、誰でも約束を守ろうとします。
「当たり前のことじゃないか!」と思うかもしれませんが、実際は「担当者」を決めることを嫌がる会社や組織が少なくありません。
私はこれまで、アドバイザーや顧問としてさまざまな企業や公的機関のプロジェクトに参加してきましたが、大きな組織ほど担当者を決めたがりません。プロジェクトの工程管理表であるガントチャートを作っても、タスクの横の担当者名は空欄のままということがよくあります。
書いてあったとしても、個人名ではなく部署名だけで終わっていることもしばしばです。「その部署の誰が担当なのか」を明らかにするのが嫌なのでしょう。私が担当者名を書類に明記するようアドバイスしても、激しい抵抗を受けます。
「個人として誰が責任を持つのか」をはっきりさせたくないという、日本的な組織の体質をひしひしと感じる瞬間です。しかし、これではプロジェクトを遅れなく回すことは、まずできません。
無理なくやれるサイズに細分化
もちろん、メンバーができるだけ約束を守りやすいよう配慮することも大切です。プロマネとしてタスクを割り振る際、実践すべきことは2つあります。1つは、その人が「無理なくやれるサイズに仕事を細分化する」ことです。
すべてのメンバーが、自分に与えられたタスクを期日までにやり遂げ、プロジェクトを進めていくためには、誰もが確実にできるサイズにまで仕事をブレークダウンすることが必要です。
大きな塊のまま仕事をドンと与えて、「1カ月でこれをやって」と言っても、うまく段取りやペース配分ができず、期日までに終わらない人が必ず出てきます。でも、その人が1週間でできるサイズにタスクを小さく分解して渡せば、たいていの人は期日までにやり遂げることができます。
経験が少ない新人や若手でも、1週間という枠の中でなら「この書類を来週月曜に提出するには、今週水曜までに資料を集めて、木曜中に下書きをして、金曜には仕上げないといけないな」と逆算して自分の仕事を進めることが可能です。
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