世界を虜にする「最先端アーティスト」の衝撃 オラファー・エリアソンを知っていますか?

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ヴァイレは現在、デンマークにある都市の中で海抜上昇、雨量増加などによる高い洪水のリスクを抱える10都市の1つに指定されている。

低地の住宅や商業地区は、2100年までに水の下に沈むとも予測されている。加えて、港や湾岸エリア、トンネル、橋など一部の都市インフラは、気候変動の危機にさらされている。

片や「水」は、美しい景観を作る観光資源でもある。そこでヴァイレは2016年、「水」を軽減されるべきリスクではなく活用すべき資源ととらえ、水や気候変動による脅威を都市開発の原動力にする姿勢を打ち出した。海の中に立つフィヨルド・ハウスもまた、この考え方にのっとっているようだ。

フィヨルド・ハウスは街の象徴のような存在になりつつある(写真:Anders Sune Berg, 2018 © 2018 Olafur Eliasson)

北欧の新たなランドマーク

エリアソンは建物のデザインの初期段階から「1日、1年の時の移り変わりによって変化する潮の満ち引きや、水面のきらめきに呼応する有機的な建物を作る」ことを考えていたという。

将来、街をのみ込んでしまうかもしれない「水」は、作品の根幹を成す重要なファクターの1つになっている。フィヨルド・ハウスは、工業的かつ都市計画の文脈と、予測できない自然界の多様な構成物がハイブリッドして生み出された建築作品と言える。

360度水に囲まれ、2度と同じ表情を見せることのない水面と絶えず対話を続けるフィヨルド・ハウスは、北欧の新たなランドマークになるだろう。

 

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フランシス・ミ ライター

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Frances Me

海外の大学院でアート関連の修士号を取得。現地のギャラリーにも勤務。アート、音楽、映画などの分野で執筆活動を続ける。好きな映画は『フランシス・ハ』。

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