洋楽やフェスが好きという趣味も合った。ただ、結婚相談所のようにプロフィールが開示されている出会いではないので、彼がどのくらい稼いでいるのかがわからなかった。
「彼は、実家暮らしだったんです。私と知り合う少し前は一人暮らしをしていたというので、“実家に戻った”のは、“仕事が以前よりも回っていないのだな”と、なんとなく想像できました。
あと、私も最初はフリーランスだったんです。でもフリーで仕事を取っていくのは今の時代すごくキツかったので、彼とお付き合いをしている途中で、デザイン会社に就職をしたんです。そのとき、すごく嫌な顔をされました」
付き合っていく中で、“その先に結婚があるのか”はつねに不安だった。しかし、“いつかは結婚を言い出してくれるのではないか”そんな淡い期待を抱きながら、3年が過ぎた。
30代の3年間は、20代とは重みが違う
「36歳を目前にして、さすがに焦りが出てきました。できることなら結婚して、子どもも授かりたかった。40歳まであと5年しかない。そう考えたら、ぼやぼやしていると、子どもを産めない年齢になってしまうと思ったんですね。
それで、意を決して彼に、“私はあなたと結婚したいのだけど、その気持ちはあるの?”と聞いたんです。答えはなんとなくわかっていました。でも、ここで私が気持ちにケジメをつけないと、次に進めないと思ったんです」
一縷(いちる)の望み。しかし、予想通りの答えが返ってきた。
「今は仕事も安定していないし、結婚は考えられない」
唯香はそのときのことを、こう振り返った。
「“なんでもっと早く、結婚できるかどうか聞かなかったんだろう”って後悔しました。でも、あとの祭り。自己責任とはいえ、彼と別れて1人になってみて、改めて3年間の重みを実感しました。20代の3年間とは違うんですよね」
では、結婚を言い出さない女性と付き合っている男性の場合はどうだろうか? おそらくその場合、女性は仕事が充実していて楽しくてしょうがないのだろう。また、本命ではなく、2番手3番手に据えられている可能性も高い。
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