人類は不死と至福と神性を目指すようになる

「サピエンス全史」著者が予測する人類の未来

人類は自らを神へとアップグレードし、ホモ・サピエンスからホモ・デウスへと変わるかもしれない(写真:Macrovector / PIXTA)

続編は前作を超えない、そんな通説を吹き飛ばすような会心の一冊だ。人類の来し方を描き、全世界で800万部を超えるベストセラーとなった『サピエンス全史』。これを受けた本書『ホモ・デウス』では、人類の行く末を戦慄の姿として描き出す。

人類はホモ・サピエンスからホモ・デウスへ

過去何千年にもわたり人類を悩ましてきた問題、それは飢饉、疫病、そして戦争の3つであった。しかし驚くべきことに、我々は飢饉と疫病と戦争を首尾よく抑え込みことに成功し、この数十年で理解も制御もできる対処可能な課題へと変えることに成功したのである。

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ならばそれらに替わり、新たに人類が取り組むべき課題とは何になるのだろうか? 著者のユヴァル・ノア・ハラリは、人類が不死と至福と神性を目指すようになるであろうと予測する。それは人間が自らを神へとアップグレードし、ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ変わることを意味する。

重要なのは、予測の根拠だ。本書の前半部では前作同様に、我々を我々足らしめているものとしての虚構に着目する。私達は虚構を信じる能力によって上手に協力することが出来るわけだが、一方で虚構には代償が伴う。会社、貨幣、国家……。虚構に過ぎなかったものが知らずのうちに強大化し、虚構によって私達の協力の目標が決まってしまうことも多々あるのだ。

まさに虚構が現実を生み出したと言わんばかりの人類の歴史ではあるが、我々にとって必要不可欠な協力システムがこの先どのようになっていくのか? そしてそれによって我々人類はどのように変わっていくのか? 人類の行く末もまた、虚構という概念から導き出していく。

まず最初に驚くのは、現在多くの人にとって当たり前の概念になっている人間至上主義、この構成要素をことごとく虚構にノミネートしてしまうことだ。私達が素晴らしいものと信じて疑わない自由意志も、もっと言えば自己という存在そのものも虚構にすぎないというのだ。この背景には、かつて私達の外界の道具として使われてきたテクノロジーが体内に入り込み、肉体や精神を制御し始めているという事実がある。

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