一方で、周遊目的ではなく、サービスの提供のために、いったんインターチェンジを降りても一定時間内に戻れば、降りなかった場合の通しの料金だけを徴収するという社会実験がスタートしており、その対象エリアが年々拡大されている。
道の駅と給油のための社会実験
1つは、インターチェンジに隣接した道の駅。年々充実している高速道路のサービスエリア、パーキングエリアだが、地域によっては十分な設備が整っておらず、それを補完するためにICの近くに設けられていて高速道路利用者も利用しやすい道の駅などに立ち寄っても料金は変わらないという試みである。
たとえば、関越道では、藤岡ジャンクションと高崎ジャンクションの間に設けられた玉村スマートICを出てすぐのところにある「道の駅玉村宿」に立ち寄り、一時間以内に再び玉村スマートICに戻って降りるまでの進路と同じ方向に向かえば、一時退出したことによる料金のプラス分は徴収されないということになる。
この社会実験は、昨年5月に玉村スマートICのほか、新東名・新城IC、山陽道・徳山西IC近くの道の駅、計3カ所で始まり、その後さらに17カ所が追加された。おおむね25㎞ごとに設置されている休憩施設が、さまざまな事情によりそれより間隔が空いているところを中心に社会実験が行われている。
玉村スマートICは、関越道、上信越道、北関東道が合流する交点に位置しており、それぞれの休憩施設からそれほど離れているわけではない(上里SA、駒寄PA、ららん藤岡、波志江PAからいずれも20km以内)が、交通量が多く休憩施設の不足を招くおそれがあるということで選ばれている。
信号も交差点もない単調なドライブが続く高速道路の運転で、ちょっとしたアクセントになる一般道への立ち寄りが、料金面で配慮されている点は評価したい。ただし、1時間以内に戻るという条件は、ゆっくり買い物して食事をするには短いし、電気自動車の充電のサービスも背景にあるとすると、なおさら短いと感じる利用者は多いだろう。
さらに、別の目的で今年8月18日から始まった社会実験もある。
岡山市が主体となって行う事業で、自治体間の交流人口の増加を促
高速道路の延伸でこれまで交流が少なかったエリアが結ばれたこと
実は、より切実に「一時退出」を促さざるをえない状況も、昨今の日本の高速道路では起きている。路線の延長やSA・PAに設置されたガソリンスタンドの撤退で150km以上にわたってガソリンスタンドが高速道路の沿線上に見つからないというケースに対応するために、一般道のガソリンスタンドを利用してもらおうという実験である。
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