「1兆ドル」へ駆け上るアマゾンの意外な素顔 ジェフ・ベゾスは懐が深い経営者なのかも
もうひとつの案が、「Relentless.com」。ベゾスは英単語で「情け容赦ない」を意味する「Relentless(リレントレス)」という単語を非常に好んでいたからだ。ちょっと怖い。しかし、ベゾスは本当にこの言葉が好きなようだ。
試しに、Relentless.comにアクセスしてみてほしい。怪しげなサイトにつながりはしないので安心してよい。リダイレクトされて、amazon.comにつながるようになっている。いくら、「Relentless」が好きとは言え、いまだにこんなドメインを保有しているとは、よほどこだわりがあるのだろう。
日本のブラック企業が生ぬるく見える過酷さ
ベゾスはアップルの故ジョブズやフェイスブックの創業者のマーク・ザッカーバーグ、テスラモーターズ最高経営責任者のイーロン・マスクなどに比べると日本ではなじみがないかもしれない。
はたしてどのような人物なのか。『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(日経BP社)を読むと、彼の一面をうかがい知ることができる。
部下には長時間労働や、週末の休みを返上して働くのを強いるのは当たり前。有能でなければズタボロに捨てられ、有能な人物ならもうダメというところまで働かされる。日本のブラック企業が生ぬるく見える過酷さだ。
ちなみに、求める人材は「どのような課題を与えられても、さっと動いて大きなことをやり遂げられる人物」とか。そのような有能な人物は自ら起業してしまうのではないかと思ってしまうが。
会議の席でベゾスの意に沿わないと当然ながら罵倒される。「オレの人生を無駄使いするとはどういう了見だ?」と言うらしい。いちいち怖い。別のミーティングでは「そんなに頭が悪いのなら、1週間ほど考えて少しはわかるようになってから出直してこい」と罵ったことがあったとも。
怒りが爆発したときはすさまじく、怒るときには感情を抑えることができなくなるため、感情を制御するために専門のコーチを雇っているとのうわさもあるほどだ。
同書(『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』)は、ベゾスの恐怖政治の側面や勤労環境の厳しさを浮き彫りにしているが、ベゾスは著者に社内の取材の許可を出している。当然、取材すればベゾス本人や会社の評判にマイナスになる情報が出てくることは理解しているだろうから、実は懐が深い人物なのかもしれない。
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