知らないと怖い「睡眠」の常識・非常識 不眠だと「生活習慣病」の発症率が2倍に

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(イラスト/堀江篤史)

寝入ってから30~60分程度で深い眠りのノンレム睡眠が現れ、その後、徐々に浅くなって10~20分程度のレム睡眠に移行します。これを交互に繰り返し、明け方にレム睡眠になって目覚めるのが一般的です。

(イラスト/堀江篤史)

人間の体内時計は24時間よりも長いといわれます。その時間を調節しているのが脳の奥にある「視交叉上核」。目覚めたときに目から入った光の信号で体内時計を調節しているのです。

あなたは朝日を浴びている?

ぐっすり眠るためのポイントは、昼間の体や脳の活動量を上げて、寝る前にはリラックスした状態で布団に入ることです。

「睡眠リズムは体内時計とリンクしています。体内時計は朝目覚めた時の太陽光など強い光によってリセットされ、1日のリズムを刻むしくみになっています。寝る前にスマホなどの強い光を浴びてしまうと、体内時計が乱れ、不眠につながるのです。体内時計も意識して、睡眠環境を整えましょう」と古賀先生はアドバイスします。

体内時計が乱れると、夜は眠れず、昼間に強い眠気に襲われるようになります。海外旅行の後に時差ボケするといわれますね。日本と諸外国で時差が大きいと、帰国したときに体内時計が乱れて時差ボケにつながります。海外へ行かなくても日常生活で体内時計が乱れると、時差ボケのようなことが起こるのです。それを解消するには、朝しっかり起きて太陽の光を浴びることが大切になります。

「遮光カーテンなどで、朝起きたときに真っ暗な部屋では、カーテンを開け、まず太陽の光を浴びるようにしてください。曇りの日は、部屋の電気をつけて目の中に光を入れると、体内時計が整います。布団の中で両手と両足の指で"グーパー"を繰り返すと、末梢神経からの刺激で脳が活性化され目覚めやすくなります」と古賀先生。

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